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ナムトゥン2ダム

ダム建設が進むナムトゥン川
- プロジェクト概要
- ナムトゥン2ダムは、世界銀行やアジア開発銀行の支援を受け、ラオス中部カムアン県に建設された水力発電事業です。タイへの売電による外貨獲得を目的とし、「貧困削減のためのダム」と謳われていますが、約6200人の移転住民の生計回復の難しさ、ダム下流の水量の変化による洪水悪化や河岸農業・漁業などの生計手段への悪影響、アジア象など絶滅危惧種を含む希少な生態系の破壊など、多くの環境社会影響を引き起こしています。
- プロジェクト名
- ナムトゥン2水力発電プロジェクト(Nam Theun 2 Hydroelectric Project)
- 所在地
- ラオス中部・カムアン県ナカイ郡
- 実施機関
- ナムトゥン2電力会社(NTPC)。フランス電力公社(35%)、ラオス電力公社(25%)、タイ発電公社(EGAT)の子会社EGCO社(25%)、イタルータイ開発会社(15%)が出資。
- 資金供与
- 世界銀行: IDA(国際開発協会)による部分的リスク保証5000万ドルおよび贈与2000万ドル、MIGA(多国間投資保証機関)の政治的リスク保証2億ドルを供与。
アジア開発銀行:公共セクター融資2000万ドル、民間セクター融資5000万ドルおよび最大で5000万ドルの政治的リスク保証を供与。
- 状況
- 2005年3月31日に世界銀行、4月4日にアジア開発銀行がプロジェクトへの支援を決定し、同年6月から本格的な建設工事が開始された。2008年4月に湛水が開始された。2009年12月から試験運転を開始し、2010年3月15日にフル稼働が開始された。
ナムトゥン2水力発電プロジェクトとは
ラオスのナムトゥン2ダムは、国際的な市民社会からの懸念が払拭されないまま、2005年3月・4月に世界銀行とアジア開発銀行の融資が決定され、建設が進められているプロジェクトです。ナムトゥン2ダム計画が論議を呼んできたのには大きく2つの理由があります。1つは人口500万人のラオスにとっては非常に大規模なダムであり、水没による立ち退きや河川水量の変化によって、山岳少数民族や低地の農民ら十万人規模で影響が生じるからです。もう1つは、世界最大の公的開発金融機関である世界銀行が、ダムがラオスの貧困を解消するという視点で支援を決定しましたが、その実効性への危惧が強くあるためです。

伐採された松。水没予定地の近くで。
ナムトゥン2ダムは、ベトナム国境付近からラオス中部を横断してメコン河に流れ込むナムトゥン川(流域面積は約1万4000平方キロ)の中流域に建設されました。水力発電用で、1070メガワットの発電能力を備えています。そのうち995メガワットは隣国のタイに輸出され、残りの75メガワットはラオス国内に供給されています。つまり、ダム計画の目的は、電力輸出による外貨の獲得にあります。水没面積は450平方キロ、山岳少数民族などおよそ6200人が立ち退きを余儀なくされました。また、発電後の水が転流されるセバンファイ川沿いに住む12万人あまりが、増水による被害を受けています。
ファクトシート
[ファクトシート] ナムトゥン2水力発電事業 (2010.4.14)
現地訪問報告
現地訪問(2008年9月)報告
2008年8月29日〜9月5日、メコン・ウォッチはラオスの開発問題に関心を持つ学生や研究者らとナカイ高原の移転村、ナムトゥン2電力会社(NTPC)タケク事務所、世界銀行およびADBのビエンチャン事務所などを訪問しました。2009年末の操業開始に向けて、建設工事は順調に進められています。しかし、事前に作られた社会開発計画(SDP)が適切に実施されておらず、事業の環境社会配慮については、問題が顕在化してきています。今回の現地訪問では、生計回復プログラム、移転住民への食料支援、苦情申し立てメカニズム、貯水池のバイオマスの除去などについての問題が明らかになりました。詳しくは、以下のレポート(英文)をご覧ください。
- Field Report regarding Nam Theun 2 Hydroelectric Project: September 2008
PDF版
現地訪問(2008年4月)報告
2008年4月26・27日、住民移転が「ほぼ」完了したナカイ高原を訪問し、移転住民へのインタビューを行いました。ナカイ高原では、移転住民たちがNTPCの補償に生計を頼る中、生計回復プログラムや水没予定地のバイオマス除去など、プロジェクトが行った様々な「約束」の破綻が浮き彫りになってきています。現地訪問で聞かれた移転住民の声と、訪問から見えてきたナカイ高原の現在と将来の懸念をレポートします。
詳しくは、以下のレポートをご覧下さい。
- ナムトゥン2水力発電プロジェクト現地訪問(2008年4月)報告 PDF版
現地訪問(2006年12月)報告
2006年12月20-21日、ナムトゥン2ダムによって水没するナカイ高原と発電後の水が転流されるセバンファイ川沿いの村を訪問しました。2005年3月31日に世界銀行が、4月4日にアジア開発銀行が同プロジェクトへの支援を決定した後、現地では着々と建設工事が進められていますが、世界銀行が自信を示していた移転計画にはすでに問題が生じています。
詳しくは、以下のレポートをご覧下さい。
- ナムトゥン2水力発電プロジェクト現地訪問(2006年12月)報告 PDF版
提言活動
- 2010.4.8 要請書(2010.3.26)に対する世界銀行・アジア開発銀行からの回答[PDF]
- 2010.3.26 世界銀行・アジア開発銀行に対し、インターナショナル・リバースと共同で要請書[PDF]を提出
- 2008.11.17 質問状(2008.10.28)に対する世界銀行・アジア開発銀行からの回答[PDF]
- 2008.10.28 世界銀行・アジア開発銀行に現地訪問報告(2008年9月)[PDF]と質問状[PDF]を提出
キャンペーンキット
2004年9月〜2005年3月に行ったナムトゥン2ダム・キャンペーンの資料を無料で配布しております。以下からダウンロードできるほか、紙媒体をご希望の方はメコン・ウォッチまで名前・所属・送り先をお伝えください。
- ナムトゥン2ダム ファクトシート HTML版 PDF版
- ナムトゥン2ダムとは?HTML版 PDF版
- ナムトゥン2ダムのここがおかしい!! HTML版 PDF版
- 世界銀行はナムトゥン2ダムをどう捉えているのか HTML版 PDF版
- 【ブリーフィング・ペーパー】ラオスにとっての危険なビジネス〜ナムトゥン2水力発電プロジェクト〜(国際河川ネットワーク) HTML版 PDF版
- ラオスの水力発電プロジェクトの負の遺産(国際河川ネットワーク) HTML版 PDF版
- Endangered Species in Central Laos are Under Threat by Nam Theun 2 Dam PDF版
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