2004年9月3日
私たち下記のNGOは、東京でのナムトゥン2水力発電プロジェクトに関するテクニカルワークショップが、公聴会ではないと記録に留めるよう要望する。私たちは、ナムトゥン2水力発電プロジェクトそのものに深刻な懸念を抱くとともに、世界銀行がこのプロジェクトを推進することに強い疑問を感じている。私たちは東京のワークショップの全ての参加者と以下の点について合意したい。
1. このテクニカルワークショップは「公聴会」ではない。
公聴会と呼ぶには、環境社会配慮に関する報告書など全ての関連文書が公開され、協議の前にステークホルダーがそれらの内容を検討し、理解するために十分な時間が与えられる必要がある。また、ステークホルダーの懸念が十分に伝えられるよう、ステークホルダーが協議の議題の決定に関わるべきである。私たちがこのワークショップの案内を世界銀行東京事務所からメールニュースで受け取ったのは2週間前だった。議題は事前に決められており、参加者が議題を追加する機会も設けられていない。公開された環境社会配慮に関する文書はまだ草案の段階であり、これまでNGOが要求してきた重要な報告書や文書の中にはまだ公開されていないものもある。以上の理由から、私たちはバンコク・東京・パリ・ワシントンDCで開かれるテクニカルワークショップは公聴会ではないと記録するように求める。
2. 世界銀行がこのワークショップを開催するのは適切ではない。
私たちは、世界銀行が性急にこのようなテクニカルワークショップを開催することに納得できない。世界銀行は、将来プロジェクトを審査する立場にあり、現時点でプロジェクト推進側が事業への支持を集めることに協力すべきではない。そのような行動は、広く賞賛されている世界ダム委員会(WCD)の実現に重要な役割を担った機関のあるべき姿ではない。私たちは、世界銀行がナムトゥン2水力発電プロジェクトに融資するかどうかはまだ白紙の段階であることを記録するように求める。
3. 真の公聴会は、世界銀行が審査を始めてから開かれるべきである。
環境社会配慮に関する文書やその他の関連文書が完成すると、世界銀行は審査のプロセスに入るかどうかを決定すると理解している。実際に審査のプロセスに入ったら、地元や海外のステークホルダーとの真の公聴会を開くべきである。また、市民社会が意味のあるかたちで、プロジェクトの推進側と対等な立場で協議に参加できるように、事前に全ての関連情報が公開されるべきである。世界銀行がナムトゥン2水力発電プロジェクトの審査を開始するのであれば、今回の一連のテクニカルワークショップのようなかたちばかりの協議ではなく、真の公聴会を開催しなければならないと記録することを求める。
このワークショップの参加は、私たちのナムトゥン2水力発電プロジェクトへの支持を表しているのではないことを強く表明する。
賛同者:
(特活)FoE Japan
東京都豊島区目白3-17-24 2F
(特活)「環境・持続社会」研究センター
東京都港区南麻布5-2-32興和広尾ビル 2F
(特活)グリーンピース・ジャパン
東京都新宿区西新宿8-13-11 N・Fビル 2F
(特活)メコン・ウォッチ
東京都台東区1-20-6 丸幸ビル 2F