ホーム > 資料・出版物 > イベント > 講演会 > 2009年メコン・ウォッチ活動報告会&会員総会
日本政府は2009年を「日メコン交流年」と定め、日本とメコン地域諸国との間の交流の拡大を目指しています。写真展、コンサート、映画祭などの様々なイベントが行われていますが、その一方で、メコンと日本の「交流」の歴史の中でつくり出されてきた環境・開発問題には目が向けられていません。日本のODA(政府開発援助)事業はときとして「開発」の名の下に、環境や人々の生活を破壊し、メコン圏の豊かさを台無しにすることにつながってきました。
メコン・ウォッチは1993年の設立以来、メコン圏の豊かさを脅かす大規模開発に警鐘を鳴らし、日本政府や国際開発機関への情報提供や政策提言を通して、大規模開発が引き起こす環境・社会問題を予防・改善するべく活動を行っている団体です。今回の活動報告会は、メコン流域国のうち、ビルマ/ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジアの環境・開発問題を取り上げ、日本のこれまでの関わりと、それらの問題に対するNGOの取り組みについて、メコン・ウォッチのスタッフがお話します。
◆ ビルマ:資源と人権の微妙な関係
昨年新しい憲法を施行し、その憲法に基づいて来年2010年に総選挙を行おうとしている軍事政権。市民への弾圧は弱まらず、5月半ばには、自宅軟禁期限が間近に迫っていたアウンサンスーチーさんを起訴・収容しました。そんな軍政を財政的に支えているのは、天然ガス輸出による収入です。しかし、その天然ガス開発は市民の多大な犠牲の上に成り立っています。軍政の存続のかぎである資源開発についてお話します。
◆ ラオス:援助がつくり出す貧困
世界銀行やアジア開発銀行(ADB)が「貧困削減のためのダム」として支援するナムトゥン2ダムの建設が進められています。今年末の商業運転を前にして、移転住民の生計回復プログラムは行き詰まり、ダム下流の住民は放水による環境影響に大きな不安を抱えています。現地訪問から見えてきた影響住民の現状とNGOの役割について考えます。
◆ タイ:解決されない問題とどう向き合うか
タイでは、日本の援助によるダムや発電所建設による住民の貧困化や健康被害などが起きています。それらはまだ解決されておらず、被害を受けた人たちは放置されていますが、援助機関にとっては「終わった」事業となっています。このような事例に対し、私たちは日本のNGOとしてどのように向き合っていこうと考えているのか、パクムンダムやラムタコン揚水発電所の事例についてお話しします。
◆ カンボジア:ODAに異議を申立てた移転住民たち
日本政府が最大の出資者であるアジア開発銀行(ADB)の道路改修事業で移転を余儀なくされた住民たちが、「移転後の生計が回復しない」とADBに正式な異議を申立て、受理されました。ADBは有効な解決策を提示できるでしょうか?私たちNGOの役割は?住民移転による貧困化を防ぐ手立てを考えます。
2009年6月13日(土)活動報告会 13:30〜16:00
会員総会 16:15〜18:30
無料
台東区生涯学習センター・学習館
地図はこちらから
TEL:03-5246-5827 FAX:03-5246-5814
【アクセス】地下鉄日比谷線「入谷駅」1番出口徒歩約8分
JR「鶯谷駅」南口徒歩約15分
区内循環バス 北めぐりん「生涯学習センター北」 南めぐりん「生涯学習センター南」
50名
特定非営利活動法人メコン・ウォッチ(木口)
Tel: 03-3832-5034, Fax: 03-3832-5039
E-mail: event@mekongwatch.org
※講演内容については当日、若干の変更の可能性があります。活動報告会の後、メコン・ウォッチ会員総会を開催します。私たちの活動にご関心をお持ちの方は会員以外の方でもお気軽にご参加ください。