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講演会のご案内
メコン河とサルウィン河 〜東南アジア2つの国際河川の過去・現在・未来〜

印刷用のご案内はこちら(PDFファイル)

講師

加藤千洋さん(朝日新聞編集委員)
プレムルディー・ダオルォンさん(タイNGO、TERRA代表)
メコン・ウォッチ スタッフ

内容

サルウィン河、メコン河は共に中国に源流を持つ国際河川であり、上流ではそれぞれ怒江、瀾滄江という名前を持っています。怒江、瀾滄江が主に流れる雲南省はこれまで豊かな自然と多くの少数民族が暮らす秘境、というイメージで語られてきました。しかし、1999年に江沢民政権が打ち出した「西部大開発」により、工業化された東部への「電力供給源」としてその姿を変えつつあります。雲南省を流れる二つの大河は、水力発電ダムの建設地として熱い注目を集めているのです。

一方のメコン河下流域では、1992年のカンボジア和平合意からインドシナの戦乱に終止符が打たれたことで、流域の各国は当時タイのチャーチャーイ首相が提唱したように「戦場から市場」へとその政策を大きく転換させました。今や、ベトナムの発電公社がラオス南部に投資、発電事業を行う一方、サルウィン河のビルマ部分で中国企業がダムを建設、タイが電力を購入するといった計画があるなど、流域の開発は世界銀行・アジア開発銀行といった国際援助機関の手から、流域の政府機関・民間企業に移ってきています。また、急激な経済成長を続ける中国も投資や援助という形で大きな影響を持つようになってきました。国際河川のため調整が難しいとされてきたメコン本流ダムの建設が、ラオスやカンボジアなど下流部でもにわかに現実味を帯び始めています。このような開発のアクターの変化は流域の人々の生活にどのような影響を及ぼしているのでしょうか?

今回の講演会では、中国雲南省の研究者、黄光成氏による著作『瀾滄江・怒江伝』の日本での翻訳・出版を期に、翻訳にご協力下さった朝日新聞編集委員、加藤千洋さんをお迎えしてこの地域に暮らす人々や近年の変化についてお話を伺います。さらに、下流域から見た開発の全体像をタイの環境NGO、TERRA代表のプレムルディー・ダオルォンさんから解説していただきます。また、メコン・ウォッチのスタッフが両河川からの現地報告を映像や資料を交えてご紹介します。

日時

2008年6月15日(日)14:00〜17:00

講師のご紹介

加藤千洋さん

1972年朝日新聞社入社。中国総局長、外報部長などを経て、2002年から現職。1999年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。外報部長の時に企画した連載「テロリストの軌跡 アタを追う」とそれにかかわる一 連の報道で、2002年度新聞協会賞を受賞。テレビ朝日系列「報道ステーション」コメンテーター。朝日新聞編集委員。

プレムルディー・ダオルォンさん

メコン河流域の環境問題に取り組むNGO、TERRA(Towards Ecological Recovery and Regional Alliances)でラオスでのコミュニティ・フォレスト政策立案支援などに取り組む。メコン河流域の自然資源管理や開発の動向に造詣が深く、現在はTERRA代表。

通訳

英語からの逐語通訳あり

参加費

無料

会場

台東区生涯学習センター・学習館
台東区西浅草3-25-16  Tel. 03-5246-5827

参加申込

資料の用意などがありますので、事前にご連絡下さい。お申込みの際には、お名前、ご所属、緊急連絡先、メコン・ウォッチ会員の方はその旨もお伝えください。定員90名(先着順)。定員を超えた場合には、こちらからお断りの連絡をさせていただきます。

お申し込み・お問い合せ先

特定非営利活動法人メコン・ウォッチ(木口・杉田)
Tel: 03-3832-5034, Fax: 03-3832-5039
E-mail: event@mekongwatch.org

*なお講演内容については当日、若干の変更の可能性があります。

*本講演会は独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて開催します。

*また、この特別談話室の後、17時15分から18時30分まで、メコン・ウォッチ会員総会を開催します。私たちの活動にご関心をお持ちの方は会員以外の方でもお気軽にご参加ください。

『瀾滄江・怒江伝』(めこん社、2008年5月出版予定)

黄光成・著、大澤香織・訳。メコン河上流の中国を流れる部分は「瀾滄江」、サルウィン川上流は「怒江」と呼ばれています。青蔵高原の源流から雲南南部の国境にいたるまで、本書ではこれら2本の川流域の自然、民族、歴史、文化が詳しく紹介されています。原著は2004年に中国で出版され、メコン・ウォッチでは2007年度に日本万国博覧会記念機構の助成を受けて雲南担当スタッフが日本語版への翻訳に取り組んできました。また朝日新聞社の加藤千洋氏にも、ご自分の取材経験をもとにした貴重な解説を頂いています。

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