ホーム > 資料・出版物 > イベント > メコン談話室 > 第39回「終わらない苦しみ−パクムンダムを取り巻く問題−」
政治的にゆれるタイ。クーデターや首相の失脚などが話題となっている陰で、選挙までの「仮の政権」であるといいながら、現政権は国民的合意無しに多くのことを決めています。パクムンダムの問題もこの政変の影響を受けました。1999年から約3年に渡る平和的抗議の結果、住民が勝ち取った年間4ヶ月の水門開放が、何の議論も無く中止されたのです。困窮を強いられてきた人々は、更に困難な状況に陥りました。
パクムンダムは開発を支援した世界銀行にとっては、もう終わったプロジェクトです。1998年に出た世銀の評価レポートはこれを「非自発的移住を伴う事業の中では成功事例」と総括しました。しかし、人々は未だにダムを巡る混乱と生活苦の中にいるのです。地域はダム完成から13年たった今もゆれ続けています。
今回は、最近の現地の動向についてご報告します。また、開発を行う側が地域の自然環境や資源利用についてダム開発前に何を知っていたかを検証すると共に、人々が日常生活でどのように河川を利用しているかについてお話します。この二つを重ねてみることで、パクムンダムのような開発問題が発生する原因について、改めてみなさんと考えてみたいと思います。
※今回の談話室は、8月に実施されるフィールドスクールの勉強会もかねています。フィールドスクールは、2007年8月21日(火)〜27日(月)の開催です。詳しくは、以下のウェブサイトをご覧下さい。
2007年フィールドスクール
また、「フィールドスクールには行かないけれど内容に興味がある」、という方の参加も大歓迎です。