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セーブ・ザ・メコン・キャンペーンニュース2009年5月30日
オンライン署名の集約が6月15日(月)に迫りました。ご協力いただける方はお早めにお願いいたします(署名サイトへのアクセスにかなり時間がかかる場合があります。 ご不便をおかけしますが、ご理解いただきますようお願いいたします)。
メコン河の豊かな自然と資源は、流域に住む6,000万の人々の生活を支えています。しかし今、この大河の本流をさえぎる巨大ダム建設計画が11ヶ所もの地点で着々と進行しています。1ヶ所でもダム建設が始まれば、メコン大ナマズやイラワジイルカなどの絶滅危惧種や多くの回遊魚が壊滅する恐れがあります。人々の暮らしと生物多様性を守るため、地元住民やNGOが「セーブ・ザ・メコン連合」を設立しました。メコン・ウォッチもこの動きに加わり、第一弾の活動として、流域各国政府や国際機関にダム建設を再考するよう呼びかける国際署名への協力を呼びかけています。
みなさんの声がメコン河の環境と人々の生活を守り、メコン河の豊かさを未来の世代に伝える力となります。ぜひ署名活動にご協力下さい。署名活動は6月15日まで継続する予定です(5月30日現在のオンライン署名数2422名。これとは別にメコン・ウォッチ東京事務所にも約300名の方からハガキ署名などをいただいてい ます)。署名方法についてはこちらをご覧下さい。
私たちが「メコンの豊かさ」を伝えようとする時、貴重な生態系や生物の多様性とともに、多くの人びとの暮らしを支えるメコン河の姿が念頭にあります。タイの写真家ステープ・クリッサナワリンさんが3年の月日をかけてラオス南部のシーパンドンで撮影した写真はこうしたメコン河の姿をうまくとらえています。数万枚におよぶステープさんの作品の一部は以下のサイトでご覧になれます。ぜひ一度お訪ねになってみて下さい。
http://internationalrivers.org/en/node/3348
ステープさんを魅了した「シーパンドン」は、カンボジア国境に近いラオス南部チャンパサック県を流れるメコン河本流一帯の名称で、ラオス語で「四千の島」を意味します。その名の通り、多くの早瀬のほか、滝や湿地が点在する複雑な地形に恵まれ、広範な回遊をすることで知られるメコン河の魚類にとってきわめて重要な場所でもあります。また、地元の人びとにとっては絶好の漁場になっています。
ところが、シーパンドンでは11ヶ所のメコン河本流下流ダムの一つ「ドンサホン水力発電所」(240〜360MW)の建設が計画されており、2008年2月、ラオス政府は事業者であるマレーシア・メガファーストコープ社と開発合意書を結びました。これにより11ヶ所の中でも最も計画が進んでいるダムとして、メコン河の保全を目指す市民団体やNGOが警戒を強めています。ドンサホンダムが建設されれば地元の人びとの生活が大きな打撃を受けるばかりか、下流のカンボジアにも国境を越えた環境問題が生じ、魚類の回遊が妨げられることからタイなど上流国にも被害が及ぶことでしょう。今ここにある豊かさを台無しにして「開発」と称するダム建設には根本的な見直しが必要です。
ステープさんの作品は3月12日〜28日にバンコクの中心部セントラルワールドで開催された写真展「シーパンドン…メコン漁業の危機」でも紹介されました。写真展にはバンコク市民だけでなく海外からの観光客も訪れ、数千名の来場者がハガキ署名に協力してくれました。開催記念イベントに駆けつけたステープさんのことばも交え、写真展の様子を報告にまとめて以下のサイトに掲載しましたので、こちらもご一読下さい。
「シーパンドン…メコン漁業の危機」ステープ・クリッサナワリン写真展報告
(土井利幸/メコン・ウォッチ)
署名に関してご不明な点がありましたら、下記までお問い合わせ下さい。
event@mekongwatch.org