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セーブ・ザ・メコン・キャンペーンニュース2009年5月5日
メコン河の豊かな自然と資源は、流域に住む6,000万の人々の生活を支えています。しかし今、この大河の本流をさえぎる巨大ダム建設計画が11ヶ所もの地点で着々と進行しています。1ヶ所でもダム建設が始まれば、メコン大ナマズやイラワジイルカなどの絶滅危惧種や多くの回遊魚が壊滅する恐れがあります。人々の暮らしと生物多様性を守るため、地元住民やNGOが「セーブ・ザ・メコン連合を設立しました。メコン・ウォッチもこの動きに加わり、第一弾の活動として、流域各国政府や国際機関にダム建設を再考するよう呼びかける国際署名への協力を呼びかけています。
みなさんの声がメコン河の環境と人々の生活を守り、メコン河の豊かさを未来の世代に伝える力となります。ぜひ署名活動にご協力下さい。署名活動は5月末まで継続する予定です(4月29日現在のオンライン署名数2233名。これとは別にメコン・ウォッチ東京事務所にも約300名の方からハガキ署名などをいただいています)。署名方法についてはこちらをご覧下さい。
メコン河の淡水漁業は世界有数の高い生産性を誇り、その経済効果は年間3,000億円にも達すると言われています。輸送や加工といった関連活動を含めると、この数字は3倍にもふくれます。この漁業を担っているのは、大半が伝統的な漁法を続ける零細漁民たちです。自由に回遊する魚たちと地域に根ざした生業が、流域に住む6,000万人の命を支えているのです。
メコン河本流の上流にあたる中国雲南省では1990年代からすでに数ヶ所でダムが建設され、その悪影響は、水位の異常変動や水棲生物の減少といった形で下流のビルマ/ミャンマー、タイ、ラオスの人々の生活を脅かしています。ところが数年前から、今度は下流のタイ、ラオス、カンボジアでも本流ダム建設計画が動き出しはじめました。
本流ダム建設の主目的は発電です。しかし、メコン圏各国の電力需要は、エネルギー消費効率を高め、分散型技術を導入することで、むやみにダムを建設しなくても十分にまかなうことができます。時代遅れの巨大ダムに頼らずとも、持続可能な技術を駆使して国づくりを進められる可能性が大きく広がっているのです。
むしろ巨大ダム建設は、汚職や国境を越えた水紛争をもたらし、国や地域全体の発展を妨げる恐れがあります。
「メコン河の豊かさを守ろう!」、「大規模ダムを見なおそう!」という声が、メコン河流域に住む人々から自国政府や援助国・開発機関に対して、ますます強く発せられるようになってきました。日本に住む私たちもこの動きに呼応して、メコン河を守るために力をかせればと思います。どうか、ご協力をお願いします。
(メコン河流域でのダム開発には、これまで日本も深く関与してきた経緯があります。これについては、メコン・ウォッチのホームページをご覧下さい。)
署名に関してご不明な点がありましたら、下記までお問い合わせ下さい。
event@mekongwatch.org