ホーム > イベント > セミナー> ビルマ(ミャンマー)住民の異議申立と日本の援助・投資の課題(2014.11.28)
ビルマ(ミャンマー)の最大都市ラングーン(ヤンゴン)近郊で、日本が官民を挙げて進めている「ティラワ経済特別区(SEZ)開発事業」(約2,400ヘクタール) では、先行開発区域(フェーズ1、約400 ha)で68家族(約300人)がすでに移転を強いられました。残り2,000ヘクタールの開発では、さらに1,000家族以上(約4,000人)が移転を迫られることになります。
フェーズ1の移転地(2014年11月撮影)
道路より宅地が低く、政府が造った排水溝も機能していないため、
豪雨で冠水してしまう。
今年6月、こうした移転の影響を受ける住民3名が来日し、フェーズ1で海外投融資(ODAによる民間支援)を行なう国際協力機構(JICA)に対し、異議申立書を提出。フェーズ1区域の移転住民が、農地や日雇いなどの生計手段を失ったまま、移転地で以前より厳しい生活を余儀なくされていること、また、今後、残りの2,000ヘクタール内の住民も同様の被害を受ける恐れがあることを指摘し、調査と問題解決を求めました。
これを受け、JICA異議申立審査役は、「JICA環境社会配慮ガイドライン」に沿った移転・補償措置がとられているか等を調査。この11月初め、JICA理事長に対し、問題解決策の提案も含めた報告書を提出しています。 (http://www.jica.go.jp/environment/present_condition_mya01.html)
今回のセミナーでは、住民によるJICAへの異議申立て後の動きとJICA審査役の調査結果、また、移転住民のおかれている現状・人権侵害の状況を報告するとともに、問題解決に向けて日本の官民が今後取り組んでいくべき課題について考えます。ふるってご参加ください。
(18:00開場)
※ビルマ(ミャンマー)・ティラワ経済特別区(SEZ)開発事業とは――
パッケージ型インフラ輸出事業として、日本が官民を挙げて進めている。ヤンゴ
ン中心市街地から南東約23kmに位置するティラワ地区2,400ヘクタールに、製造
業用地域、商業用地域等を総合的に開発する事業。フェーズ1(400ヘクタール)
にODA海外投融資による出資をJICAが決定。三菱商事、住友商事、丸紅が参画。
JICAは残り2,000ヘクタールにおいても協力準備調査を実施中で、環境アセスメ
ントや住民移転計画の策定を支援している。フェーズ1は2013年11月に着工し、
68家族(約300人)がすでに移転。残り2,000ヘクタールの開発では、さらに
1,000家族以上(約4,000人)が移転を迫られることになる。
ティラワ経済特別区(SEA)開発事業についての詳細はこちら
http://www.mekongwatch.org/report/burma/thilawa.html