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ラムタコン揚水式発電所建設問題
影響住民が国際協力銀行に抗議

2002年5月15日

 15日午後1時、ラムタコン揚水発電所の建設時に粉塵などの被害を受けた北カオヤイティアン村・南カオヤイティアン村(東北タイ、ナコンラチャシマ県)の住民が、国際協力銀行(JBIC)バンコク支所に抗議の書簡を届けます。同事業は国際協力事業団(JICA)により実施可能性調査が実施されJBICの融資を受けて建設されたODA案件です。また、日本の電源開発株式会社が施工管理を請け負っています。

 住民の訴えによると、工事期間の1995年末から2年7ヶ月もの間、正午と夕方に貯水池を建設するための爆破作業がほぼ毎日行われ、その期間村はその粉塵を浴びつづけたといいます。そのため、多くの村人が呼吸困難などの症状を抱えています。また、工事期間中に呼吸困難で突然死した方もいます。人間だけでなく、家畜も工事期間中に大量死しており、地域の農家の生計に大きな打撃を与えました。また、騒音と振動で乳牛が怯えて乳を出さなくなるなど、付近の酪農家にも莫大な損害をもたらしています。

 住民らは、事業主であるタイ発電公社(EGAT)から「工事が終わったら対応する」と説得され、抗議を控えてきました。しかし、工事が終わると損害にたいして補償が行われないばかりか、事前説明会で約束されていた農地の支給や、安全な生活用水の提供も行われていません。住民は、政府の開発事業によって影響を受けた人々のネットワーク、サマッチャー・コンヂョン(Assembly of the poor)に加わり、政府に対応を求めています。

現在、政府は委員会を設置して対応していますが、その話し合いの中でEGATは、「爆破作業は1日に1回だけ」「風向きが村に向いた場合は作業をしなかった」と主張し、責任を認めていません。

住民は、政府・関係機関に対し、

 などを求めています。

 政府の委員会には予算や権限が無く、住民は困難な状況のまま放置されています。住民は、事業を支援したJBICに対しても対応を求めていく構えです。

同事業は、バンコクの電力ピークに対応するために経済危機前に計画されたものですが、過剰な余剰電力のためか、予定の期日(本年2月)を過ぎても運転されていません。

また、JICAの報告書には粉塵に対して注意をするよう述べた一文がありますが、具体的な指示は記載されていません。メコン・ウォッチではこのような環境・社会的な配慮に欠けるJICAの開発調査のあり方は非常に問題であると考えています。

住民は現在、体調を崩しながらも交代で首相府前に座り込みをして、政府機関に解決を求めています。被害住民が二ヶ村(約200世帯)と人数が少ないためか、今までこの件がタイのメディアに取り上げられることはありませんでした。しかし、様々な公害問題を経た我が国が海外で同じような問題を起こすきっかけを作ったとしていたら、由々しき問題です。

工事との因果関係を証明するのは困難ですが、期間中に産まれた子どもたちには、顕著な障害のある子もいます。また、村の幼児・児童のほとんど全員が喘息のような症状を持っていると住民は訴えています。

ぜひ影響住民から、直接話を聞いてください。

詳細については、Assembly of the poor顧問バラミー氏(タイ国内携帯電話:01-685-9458)または、住民代表ブンライ氏(01-977-8525)まで。住民組織は英語の出来る方がいません。問い合わせはタイ語でお願いいたします。

また、この件に関するご質問などは下記までお気軽にお問い合わせ下さい。

<日本>メコン・ウォッチ 木口・松本
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