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現地での活動
メコン・ウォッチは、メコン河流域及び流域国で起きる問題を正しく理解するため、現地で様々な調査研究を行ってきました。また、現地の環境保全のためのプロジェクトも実施しています。ここでは流域各国でこれまで取り組んできた事業についてご紹介します。
東北タイのムン川で、現地で今も残る自然資源とその利用や住民参加型の水管理について現地グループと調査し、生態系に配慮した水管理に関する議論の活性化、現地での政策提言につなげていく活動です。
開発で変化する東北タイのムン川で、魚の産卵情報、住民による保全活動などについて現地のグループと調査し、川の資源管理にその情報が活かされるよう冊子にまとめ提供しました。
東北タイでのバガス利用のバイオマス発電所建設を事例に、事業が内在する地域の環境と住民生活への影響を明らかとするための調査を行いました。
メコン・ウォッチは、ラオス北部・ウドムサイ県パクベン郡において、地域住民の生産活動と森林保全を両立させる水源林管理の仕組みを作り、地域住民主体の森林管理を実現することを目指して、調査・提言活動を行っています。
ラオスの開発と環境について積極的に取材し、番組制作を行いたいと考えている県のテレビ局や、それに協力するラオス国内の民間教育機関などを支援しています。活動では、各県の地方テレビ局や現地プロダクションと密接に協力しています。
【ラオス】人びとの生活のための生物多様性保全(準備中)
準備中
メコン河流域で、ダム建設による生態系・地域社会への影響について知見のある住民の経験を、今後ダム建設が予定されている地域に映像を通じて伝え、その認識を深めることを目指す活動です。
危機に直面する生物多様性を、文化の多様性と合わせて考えることで、より広い視野から、人類の特性である多様性を保全する試みです。タイ東部に住む少数民族チョン族が取り組んでいる森林と言語の保全活動に対して、一般の人びとから幅広い理解と支援を得るために、現地の大学とも協力しながら、平易な活動紹介を作成したり、メコン圏に住む他の先住・少数民族との経験交流会を開催する準備をしています。
独立行政法人・国立環境研究所が実施しているメコン河長期生態系モニタリング(Mekong River Ecosystem Monitoring、MeREM)を現地社会で有用なものにするため、国環研と協力しつつ現地住民やNGOらからの聞き取り、現地におけるワークショップ の開催などを独自に進めました。このような活動により、MeREMと流域国の住民、NGOなどの市民社会との連携を促進しました。
「はかる」ことが、アジアの農村で人々のくらしを脅かしているのではないか。
私たちは、メコン河流域の国々で住民と活動する中で、そんな疑問を抱きました。
今までは、どのように生活を「はかる」のか、という方法論が研究されることがあっても、それが「はかられる」側のコミュニティに何をもたらすのか、という「機能」は問題にされてきませんでした。この研究は、「はかり」の「機能」に着目しながら、「はかる」ことが人々のくらしに与える影響を、メコン・ウォッチが活動の中で関わっている事例から考えてみようという試みです。結果はブックレットにまとめて公開しています。
メコン・ウォッチでは、2011年度より地球環境基金の助成を得て、東南アジア諸国を対象に、プランテーション拡大による環境・社会影響と、日本等の企業の関わり、パーム油の認証制度や、森林認証など、プランテーションに関連する取り組みについて調査を行っています。
中国で開催された日本環境ジャーナリストの会主催「第4回アジア科学とジャーナリズムの合同ワークショップ」(2007 年12 月17-22 日)に協力、日本とアジア各国からのジャーナリストと科学者、そして受け入れ先の中国科学院水生生物研究所関係者が参加した雲南省・昆明市でのワークショップとデンチー湖視察、そして漫湾ダム視察をサポートしました。
イン川は、タイ北部パヤオ県からチェンライ県を流れるメコン河の支流です。豊かな生物多様性を持つイン川とその周辺の湿地帯では、近年、違法漁業などの影響で漁業資源が枯渇し、河口部の大規模商業港の建設やメコン河上流浚渫も流域の生態多様性や人々の暮らしに影を落としつつあります。メコン・ウォッチは、2001年度から2002年度にかけて、地元NGOや住民と協力し、イン川流域の漁業や湿地の利用についての住民参加型調査プロジェクトを行いました。
メコン河の支流ムン川下流域では、漁業を主な生業とした村が多く見られます。ムン川には約200種もの魚が生息していたと見られ、メコン河の回遊魚が遡上し産卵する場であり、メコン河の魚類の多様性を支える柱としても注目されてきました。しかし、河口に建設されたパクムンダムによって、ムン川は大きな環境の変化を受けています。
メコン・ウォッチでは地元の漁師さんの協力の元、継続的に魚類のデータを収集し、現地の魚類の多様性を明らかにする調査を行っています。現在まで、25科99種の魚が記録されました。採取された魚は、写真を撮影した後、標本として保存され、地元の施設で公開されています。
ムン川の自然や魚の行動に深い知見を持つ住民グループから聞き取りを行い、支流と本流の間の魚類の移動について住民の経験を文書化しました。収集したデータは日本語、英語にまとめインターネット上で公開し、メコン流域での開発事業に対して、流域からの知見を提供しています。