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【要請書】ODAの抜本見直しに「外部に開かれた議論の場」設置を

2010年3月4日

外務省で進められているODAの見直しに関して、2月26日、NGO33団体が外部に開かれた議論の場を設置することを求め、要請書を提出しました。

要請書は、外務省内およびJICA の議論のみでは、ゼロベースからの抜本的な改革に結びつけることは困難であることを指摘し、@過去のODAの問題を分析するプロセスを設けること、A論点整理から、実際の議論、取りまとめの各段階を通して、ODA改革に関心を有するNGO 等が参加できる場の確保、B重点的に議論をするべき論点の一つに海外投融資の再開の可否を含めること――などを求めています。

外務省は、現在、@国際協力に関する理念・基本方針、A国民の理解・支持の促進等、B革新的資金調達メカニズム、C多様な関係者との連携、D援助の効果的・効率的な実施、EJICA――の6つのタスクフォースを設けて検討を進めています。

下記に要請書の全文を記載します。[PDF版はこちら]


2010年2月26日

外務大臣  岡田 克也 殿
外務副大臣 武正公一 殿
福山哲郎 殿
外務政務官 吉良 州司 殿
西村 智奈美 殿

「ODAの見直し」検討プロセスに関する要請

 私たち開発援助事業の環境社会影響の回避やODA の質の向上に関心を有する日本のNGOは、岡田外務大臣がODAの抜本的な見直しに着手されたことは、ODAをめぐるさまざまな問題を解決するための重要な一歩として高く評価しております。
一方、2月2日の記者会見において示されました検討体制については、下記の点で課題があると考えております。

・ 実質的に議論の中核を担うのが、外務省の省内およびJICAのみで形成されたタスクフォースとなっている。これでは、ゼロベースからの抜本的な改革に結びつけることは困難である。
・ ODAは外務省以外の管轄する分も大きい。この機会に日本政府全体のODA見直しをすべきである。そのためにも省内のみの議論では不足である。
・ すでにタスクフォースのテーマが決まっているが、まずは、議論すべきポイントについて、外部の意見をきくプロセスを設けるべきである。
・ 過去のODAの問題を分析するプロセスが踏まれていない。議論すべきポイントは過去のODAの問題点の包括的レビューに基づくべきである。

 このような問題意識に基づき、ODAの見直しに関する検討プロセスに関しまして、下記を要請させて頂きます。

1. ODAの見直しの論点整理のため、過去のODAの問題を分析するプロセスを設けること。
2. ODAの見直しの論点整理から、実際の議論、取りまとめの各段階を通して、ODA改革に関心を有するNGO等が参加できるコンサルテーション会合(注1)、または、NGOを含むステークホルダーからなる委員会(注2)を設置し、そこで主要な議論を行うこと(注3)。議論はすべて公開とすること(注4)。また、文書による意見の提出も受け付けること。
3. 委員会方式で実施する場合は、下記に留意すること。
  @ 委員は、ODAに対して批判的な見解を有するステークホルダーも含めること。
  A 委員会は公開で行い、傍聴者の発言も許可すること。

4. 重点的に議論をするべき論点の一つに海外投融資の再開の可否を含めること。この議論の前に、JICAが実施した、過去の海外投融資に関する調査結果を公開すること(注5)。

以上、ご検討いただければ幸いです。

 

 (注1)  関心を有する者がすべて参加し、発言できる形式の会合。議事録も公開。国際協力銀行(JBIC)環境社会配慮ガイドライン改訂プロセスなどで取り入れられた。
 (注2)  多様なステークホルダーからの委員で構成し、一般公開で議事録も公開することを想定。このような委員会は、JICAの環境社会配慮ガイドライン改訂プロセスで取り入れられ、傍聴者の発言も許可された。
 (注3)  現在立ち上げられている外務省内部のタスクフォースにおける内部検討も踏まえた議論を行うことを想定。
 (注4)  アカウンタビリティの確保および発言者が自らの発言に責任を持つことを確保するために重要である。省益や業界の利益の誘導の場とならないために必要とされる。
 (注5)  海外投融資は、2001 年12 月、「特殊法人等整理合理化計画」でいったん廃止となった。2009年6月2日、「第22回海外経済協力会議の結果」で、再開に向けた検討の一貫として、過去の実施案件の研究・評価の実施が決定した。しかし、この研究・評価の終了を待たず、6月23日、「経済財政改革の基本方針2009について」で、海外投融資の再開が閣議決定した。
なお、過去の海外投融資は、特定業界へ偏った支援が行われたこと、商業的秘密に配慮したため通常のODAに比してすべてが不透明となったこと、このため利権や問題の温床となったことなど、批判を招き、国会でも議論となった。

A SEED JAPAN、AMネット、(特活)ARBA、国際環境NGO FoE Japan、ODA改革ネットワーク、ODA改革ネットワーク関西、アーユス 仏教国際協力ネットワーク、アジア開発銀行福岡NGOフォーラム (FNA)、アジア太平洋資料センター(PARC)、綾瀬川を愛する会、インドネシア民主化支援ネットワーク、(特活)NGO福岡ネットワーク(FUNN)、かんきょう革新、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、(特活)関西NGO協議会、関西フィリピン人権情報アクションセンター、国際環境NGO グリーンピース・ジャパン、原子力資料情報室、国際動物福祉基金(IFAW)、ジュビリー関西ネットワーク、ジュマ・ネット、地雷廃絶日本キャンペーン、水源開発問題全国連絡会、聖コロンバン会、太陽光・風力発電トラスト、ティナラク織の会「カフティ」、(特活)名古屋NGOセンター、日本国際ボランティアセンター(JVC)、日本湿地ネットワーク(JAWAN)、ビルマ情報ネットワーク、ビルマ市民フォーラム、ブリッジ エーシア ジャパン(BAJ)、メコン・ウォッチ

 

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