2002年8月29日、南アフリカ・ヨハネスブルグ
情報公開と市民参加は、持続可能な開発の必要不可欠な要素です。リオ宣言の第10原則は、環境関連情報へのアクセスの確保と、環境に影響を与える意思決定への市民参加の促進をうたっています。ところがリオから10年間、国内外での情報公開と市民参加に関する国際的な取り組みは極めて遅れてきました。日本国内でもようやく情報公開法が施行されたところであり、市民参加に関するルールは未だありません。さらに途上国への援助・投資あるいは貿易の現場では、国家や企業の支配が強まる一方で、影響を受ける人々の情報へのアクセス・意思決定への参加は困難になるばかりです。
経済統合が進むヨーロッパでは、環境や人権に関する共通基準も並行的に議論されています。国連ヨーロッパ経済委員会は、1999年に「環境情報へのアクセス・意思決定への参加・司法手段へのアクセスに関する条約」(オーフス条約)を採択し、現在ヨーロッパの20カ国以上が批准し、加盟各国は制度改正に積極的に取り組んでいます。経済のグローバル化が進む中、情報公開や住民参加に関して国際的な基準作りに取り組むことは、人々の環境と生活を守る上で欠かせません。
現在交渉が続いている実施計画案の第151項は、情報公開と市民参加に関する国際的なガイドライン策定を求めていますが、現在のところアメリカ・カナダ・G77などの反対により合意されていません。リオ宣言を実施に移すためのこのサミットの交渉において、日本政府は第151項を支持するべきです。
メコン・ウォッチ(担当:福田・松本)
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