メコン河開発メールサービス 2000年7月8日
メコン河の水をせき止めて、東北タイのチー川とムン川に導水し、27のダムによって大規模灌漑をしようという「コンチームン導水計画」の1つである、ラーシーサライダムをめぐって、影響住民たちが失った農地などの適正な影響調査を求めてダムサイトで抗議行動を続けています。長い闘いの末、ようやくタイ政府が2年間ダムのゲートを開けて、環境被害を回復するという決定を下しました。以下は7日のバンコクポストの記事です。
Anchalee Kongrut、Bangkok Post、July 7, 2000
科学大臣はラーシーサライダムの7つのスルースゲートを開けて、2年間ムン川の流れを自由に戻して環境回復を図ることになるだろう。
「ゲートを開けることは土地を自然な状況に回復するだろう」、ArthitOurairat科学大臣は述べた。
Arthit大臣はダムプロジェクトは土地補償、住民への影響、そのコストなどをめぐって深刻な対立の源となっていると認めた。
科学省下のエネルギー開発推進局は今後2年間で全ての補償問題を解決するつもりでいる。
チュラロンコン大学、マヒドン大学、コンケン大学、それに土地開発局は環境影響評価調査を実施することを求められるだろう。
貧民会議顧問のPraijit Silarak氏は、自らのダムプロジェクトの被害者だが、Arthit大臣の決断を「建設的」と評価し、これによって真剣な話し合いができ、問題の具体的な解決につながると信じている。
彼はまたAtihit大臣が、岩塩を多く含んでいることで知られる東北タイの土地に建設されたダムプロジェクトの結果生じている塩害問題を認識していることを誉めた。
貧民会議から挙げられているパクムンダムや他のダムに関する問題を解決するため、Banyat内務大臣によって設置された委員会の委員長であり学者でもあるBantorn On-dam氏は、Arthit大臣の決断を賞賛した。Banton氏の委員会は先月中旬以来、パクムンダムの全ての余水吐(スピルウェー)を年に4か月間開けて、魚の回遊を進める決定をしている。
委員会はこの決定を先月中旬以来、内務大臣に提出しているが、この件について内務省から公式の回答を受け取っていない。
「Arthit大臣の命令を聞いて、私はBanyat内務大臣にも同じ行動を願わざるをえない」、Banton氏はコメントした。
Banyat大臣の反応から判断して、委員会は政府が提言に全て従うことは期待していない。「我々の役目は終わった。今や問題は政府次第である」と述べた。