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パクムンダム>新たな闘いの始まり

メコン河開発メールサービス 2000年7月12日

東北タイの2つのダム問題のその後について、現地の久世さんと木口さんの報告を交えてお伝えします。


1.これまでの経緯:明暗くっきり

すでにお知らせしました通り、東北タイで問題になっている2つのダムのうち、コンチ-ムン導水計画(メコン河の水を東北タイに導水して灌漑するメガプロジェクト)の一部であるラーシーサライダムについては、科学環境技術大臣が全ての水門を2年間開放して、元の流れを回復する試みをすることに合意し、今週中にも閣議決定される見通しです。一方、世界銀行の融資で完成したパクムンダムは、内務大臣が設置した中立委員会が、雨季の間の水門の開放を勧告したのに、内務大臣は来年まで結論を先延ばしにしました。このため、パクムンダムの被害住民や民衆組織(POs)は、対策を検討してきました。その結果、一部住民とPOsは、バンコクの首相府前で再びデモを敢行する決断をしました。ハンガーストライキや長期戦も辞さない覚悟の方々もいるようです。

2.再びバンコクでのデモを決意:女性とおじいさんが動かした!

(木口由香さんの報告)

田植えやお金がない、などバンコクでデモをすることに消極的な人も少なくなかったため、今後の活動をどうするか7月の始めには何度も住民の間で会議が開かれました。電力公社と交渉しても意味がなく、最終的には政府(それも首相)が責任者というのが、住民の認識だけでなく官僚の間の一致した見解でした。今のところ住民が政府と交渉力を持つのは、唯一首相府前でデモを打ったときだけでしょう。会議では積極的にバンコクに出ようと発言するのはなぜか女性ばかりでした。男性はお金がないから反対、ダムを再占拠しようという人が少なくありませんでした。最後の方にここにあげたおじいさんが初心に帰れとカツをいれて、バンコク行きの準備が始まりました。

ある女性の声

ここにいたって、電力公社と争ってそれで終わり。戦わないと約束したのに、攻撃されて、私たちはここでつぶれてしまう。政府に訴えて電力公社に圧力をかけた方がいい。ここにいて公社と争っても少しも解決できない。皆お金がないし、私だってないですよ。一年以上村に帰っていない。私にだって(満たさなければならない)口も腹もあるんですよ。(それでも行く)もし本当にお金がなくてどうしようもないなら、子供たちにまかせてここにいればいいでしょう。それだけです。

あるおじいさんの声

私たちは中立委員会を手にいれて、チュアン(首相)と交渉することができたけれど、チュアンはバンヤット(内務大臣兼副首相)に責任を押し付けただろう。力を合わせてチュアンに圧力をかけなくてはならない。電力公社が交渉相手ではなく、チュアンが交渉相手だ。些細なことは、電力公社だって分かっているが、今はパクムンの皆にとって大きな問題が待ち構えている。8つの水門だよ!あの日、支援してくれる先生が来て皆に聞いたろう?「自然を返して欲しいか?それとも50万バーツか?」見たところ、ほとんどの人が両手を上げて「自然を!」と言っていたような気がするよ。それなのに、今日来てみたら、「あー、金が欲しいなぁ」という声が聞こえてきた。いったい何事が起こったのかね?(拍手がおこる)そうだろう?良く考えてみなさい。私らがここにいるのは金が欲しいからではない。あの8つの水門を開けて、元の自然を取り戻すためだろう。

3.デモ隊、無賃乗車でバンコク行きを敢行

(久世宣孝さん報告)

10日午後7時のITVニュースで、メームンマンユーン村(パクムンダム)から500名余りのダム反対派住民が、ウボンからバンコク行きの普通列車に無賃乗車し、11日早朝、バンコクに到着すると伝えました。貧民連合は、住民がお金をないことを無賃乗車の理由にしているようです。ウボン県国鉄職員は「貧民連合がウボン発バンコク行きの普通列車をすべて利用したため、他の乗客をバス輸送する必要が出た」と述べています。

貧民連合は今回のバンコク行きを「政府(チュワン)に対し中立委員会の提案を受け入れるよう要求し、具体的な問題解決を訴える為」としています。無賃乗車に関して貧民連合は「政府が我々の要求を受け入れ、今回のバンコク行きの代金に充てるお金をくれれば、後日、国鉄に相応の乗車代金を支払う」というわけです。ウボン県国鉄によれば、貧民連合の無賃乗車に際し、特に混乱はなかったということです。

(・・・無賃乗車はタイのモップ型請願運動でよく見られることです。ITVが国鉄職員に語らせている内容もタイ人に言わせると「チューイ・チューイ(別に大したことでない)」なんだそうです。衝突・逮捕の噂が流れるのは、マスコミや世間の目を問題にひきつける効果があり、貧民連合としてはある程度折りこみ済みなのかもしれません)

4.デモ隊、無賃乗車に失敗

(木口由香さんの報告)

11日。パクムンのデモ隊は無賃乗車(彼らの言葉でいうと、問題解決後に後払いする)を拒否され、ウボンで一日足止めされました。ウボンの支援者が運賃を支払うことになったので、今日の電車で移動してきます。別のラムカンチュー・ダムのグループはすでにフアランポーン中央駅(バンコク)に着いているらしいので、見に行ってきます。

5.いよいよ始まる:パクムン問題は終わらない

(木口由香さんの報告)

12日。氏家さん(水源連)とフアランポーン中央駅(バンコク)に様子を見に行ってきました。ポンクンペット・ダムとラムカンチュー・ダムの影響住民の人が先発隊としてバンコクに入っていました。200人ほどです。パクムン・ラーシーの本体が到着するまでフアランポーンの構内に座り込んでいます。自分たちを垂れ幕で囲んで、整然と?寝転がっていました。ラームカムヘン大学の学生が支援に来て歌をうたったりしてすごしています。明日は歩いて首相府前に移動する予定です。警官もうろちょろしていましたが、追い出す風ではありませんでした。日本人の観光客も何事かと思って見ている様子だったので、日本語で簡単な文を書いてカンパ箱の前に張ってきました。現場には既に久世さんが到着していました。さすがの早さですね。

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