メコン河開発メールサービス 2000年7月17日
バンコクの首相府前における、パクムンダム抗議者たちの逮捕に関しまして、チェンマイの東南アジア河川ネットワークからニュースリリースが出ました。以下は日本語訳です。
東南アジア河川ネットワーク、2000年7月17日
本日午後2時45分、チュアン政府は千人以上の警官隊に対して、貧民フォーラムの抗議者たちを強制的に首相府周辺から排除することを命令した。首相府の中にいた200人の抗議者たちからなるグループは600人ほどの警官隊によって逮捕され、10台以上の車両に分かれてその場から排除された。
貧民フォーラムのアドバイザーで、東南アジア河川ネットワークのスタッフであるSomparn Kuendee氏が、逮捕される直前に携帯電話で報告したところによると、警察の代表が抗議者は政府の土地に侵入しているので逮捕するとアナウンスした。この時点で、警官隊は逮捕した抗議者たちをパトゥムタイナイのクロンホックにある警察士官学校と、ナコンパノムのサラヤにある第一管区国境警備警察本部にある警察士官学校へと移送した。
逮捕された人たちのほどんどは年長者や女性、子どもで、一人はわずか2歳だった。
500人の抗議者からなる別のグループは、警棒と盾によって武装した500-600人の
警察官によって、プレムプラチャ運河を横切って押し返されたり殴られたりした。喧伝用の車両は没収された。およそ30人の村人たちが負傷した。そのうち2人は重傷で、ワチラット病院に運ばれた。
午後3時15分、チェンマイの東南アジア河川ネットワーク事務所にて、チェンマイ大学のNidhi Laosriwong教授を中心とする「貧民のための研究者」と、北部農民ネットワークのSomchai Sirichai氏による記者会見が開かれた。
Nidhi教授は、貧民フォーラムによって展開されている抗議行動の歴史的な文脈を理解する必要がある。特に16か月にもわたって受け入れられる結論を待っていたパクムンダムの影響住民たちはなおさらである。しかし、政府が示したものは、自らが問題を調査するために設置した委員会による勧告にも関わらず、人々の苦しみに対する無関心なのである。政府によってとられた行動は、政府の冷淡さと貧民との対立を解決するのにいつでも暴力を使いたがるということを表したのだ。
Nidhi教授はバンコクやタイの一般市民に対して、政府の正当化し得ない暴力と民主党政権の狭心で非民主的な態度をしっかりと認識して欲しいと求めた。こうしたことは、タイ社会の他の力のない層に対してもいつでも使われる可能性がある。影響を受けた人々が首相府の敷地を占拠したことは、長年にわたって苦しめられてきた問題に耳を傾けることを拒んできた政府と交渉するために試みとしてみなされるべきである。自分たちの窮状を聞いてもらうあらゆる道筋が否定された以上、これは限られた唯一の選択肢だったのである。中間層の人たちが理解しなければならないのは、抗議者たちは何ら暴力や単なる煽動を首謀してきたのではないということである。むしろ抗議者たちは無視され続け、自らの窮状を訴える権利すら奪われてきたのである。
Somchai氏は政府を批判し、拘束された村人たちを直ちに解放するよう求めた。
私たちは友人たちや行動を起こすことに関心のある国際的ネットワークに呼びかけている。まず、タイ王国大使館において抗議行動を組織して下さい。特にワシントン、東京、シドニーそしてヨーロッパ連合の国々において。第二に、ChuanLeekpai首相や海外のタイ大使館にファックスを送って下さい。
あらゆる抗議やファックスのメッセージでは、暴力の使用に反対し、拘束された抗議者の即時解放を求め、また政府が16の対立を解決するための委員会の勧告に従うことを呼びかけて下さい。最も緊急のことはパクムンダムの水門を開けることです。しかしながら、政府は残された15の問題についても直ちに解決するべきです(7つがダム、7つが土地権利に関するもの、残る1つがチョンメック開発プロジェクトの悪影響)。