メコン河開発メールサービス 2000年8月21日
タイのサムットプラカン県全域を対象として汚水の回収及び処理を行うプロジェクトとして現在行われている事業(以下「本事業」という。)については、タイの環境保全基金から資金の供与が行われているが、当該資金は、旧海外経済協力基金がタイ政府に対して供与した円借款の一部を利用しているものである。
本事業については、タイの科学技術環境省公害管理局が、タイの法令に基づいてサムットプラカン県全域を対象として調査を行い、環境面で特段の影響がないことを確認している。また、タイの環境保全基金が本事業に資金を供与するに当たって、旧海外経済協力基金は、「環境配慮のためのOECFガイドライン」(平成元年八月同基金作成)に基づいて、右調査について外部の専門家を交えて適正に審査した結果、環境面で特段の影響がないと認めている。
本事業の契約業者によって現在実施されている環境影響評価は、本事業を実施するに当たって、事業の具体的内容に即して行われているものであるところ、この環境影響評価においても、環境面で特段の影響がないことがおおむね確認されているものと承知している。また、ご指摘の重金属類の処理方法については、本事業の施設の設計において、その大部分を沈殿させて処理することができるように配慮されているものと承知してる。
このように、関係の調査等において、本事業について環境面で特段の影響がないと認められていることから、国際協力銀行がタイ政府に対して供与している円借款の貸付実行を現時点において停止する必要はないと考えている。
なお、政府としては、本事業に対して地域住民からの懸念の声が出されていることを踏まえ、政府ミッション派遣の機会をとらえて、タイ政府に対し、地域住民との対話の重要性を指摘する等の働きかけを行ってきたところであり、今後とも本事業が円滑に実施されるように適切に対処してまいりたい。