メコン河開発メールサービス 2000年10月9日
世界銀行のエンクレイブ保証(輸出指向プロジェクトへの民間投資保証)への期待を持ち続けて少しずつ開発を進めているラオスのナムトゥン2ダムについて、新たな情報が入りました。経営難からメリルリンチ社に経営権を握られた旧パトラタナキット社の出資分と、タイのジャスミン社が同プロジェクトから撤退し、代わってタイの発電会社(Egcomp社)が参入することになりました。世界銀行は、ラオスのマクロ経済政策の問題と森林伐採の問題を理由に、このプロジェクトへの支援を決めていませんが、更にWatchが必要になっています。同ダムは、現在東南アジアで計画されているダムの中で最大規模です。
(2000年10月5日)
バンコク(AFX-ASIA) - タイのElectricity Generating Plc (EGCOMP)社によると、ラオス政府の「電力国家委員会」は、同社がタイのジャスミン社とメリルリンチ・パトラ証券に代わってナムトゥン2ダム投資会社(NTEC)への参加することを認めたということだ。
タイ証券取引所への報告の中で、同社は、1998年11月16日付けのラオス政府の指示書の中に入り、ナムトゥン2開発合意に今年中に調印するとしている。このBOOTプロジェクトへの参加企業は、フランス電力公社が35%、ラオス政府が25%、Egcompが20%、イタリアンタイ開発会社が15%、トランスフィールド社が5%となった。
このプロジェクトは発電開始から25年間の契約で、総投資額は11億米ドルと見積もられている。ナムトゥン2ダムは総発電能力が1060メガワット、そのうち980メガワットはタイ発電公社へ輸出するためのもので、80メガワットが国内のラオス電力公社向けだと、Egcompは話している。また、タイ発電公社への920メガワットの売電は25年間のPPA合意に基づくということだ。
これに加えて、最初の15年間は35メガワット分をラオス電力公社に売るが、その後は同電力公社とNTEC社のPPA合意に沿って、残りの投資期間は75メガワットに増やされる予定である。2つのPPA(売電)合意は今年の12月に調印される見通して、NTEC社は2006年までにはタイとラオスの両公社のために発電を開始する予定である。