メコン河開発メールサービス 2000年11月16日
中国のメコン河流域での活動は政府・民間とも活発化しています。11月10日の香港の新聞が、中国国内のメコン河本流に計画されている景洪水力発電ダムについて、タイと中国の電力当局が投資協定を締結したと報じました。メコン河の水利用や下流への社会環境影響等を調整するメコン河委員会(事務局・プノンペン)に中国が正式メンバーとして入っていないため、中国国内では次々に本流ダム計画が進められています。メコン河下流域への影響等は全く調査の対象に入っていないようです。以下、メコンウォッチの福田健治の翻訳です。
JULIA HAN
South China Morning Post, Friday, November 10, 2000
新華社通信が金曜日報じたところによれば、中国とタイの電力当局は最近、中国雲南省の水力発電の共同利用について、投資協定に署名した。
雲南省南西部の景洪(Jinghong)水力発電所は100億元(約920億香港ドル)のコストが見込まれる。協定によれば、タイが発電所の70%を所有し、中国が残りの30%を所有する。
雲南電力グループ社の副ゼネラル・マネージャーであるヤン・シンツェによれば、発電所の建設は2006年に始まる予定であり、2013年から毎年150万KWの電力をタイに供給する。
景洪水力発電所は雲南省南部の西双版納タイ族自治県(Xishuangbanna Dai Autonomous Prefecture)の景洪市郊外に位置し、タイから北に300kmのところにある。150万KWの能力を持つこの発電所は、メコン河上流である瀾滄江(Lancang River)に計画されている8つのダムの1つである。
雲南電力社とタイのGMS社は、準備作業を担当するコンサルタント会社を設立した。
ヤン氏によれば、雲南省は2005年に550万KWの糯扎渡(Nuozhadu)水力発電所を完成する計画である。この電力の内150万KWは、2014年から毎年隣接するタイへと送られる。
雲南省は豊富な水力エネルギー資源を有している。開発可能電力は計9000万KWに上り、これは中国全体の23%に当たる。現在雲南省は700万KWの設備容量を有し、70%が水力からである。省内の電力需要に対応するのに加えて、雲南省は東西送電プロジェクトの一環として、電力を「電気大食らい」の中国南部へと送る予定である。