メコン河開発メールサービス 2001年1月6日
ADB福岡NGOフォーラムの副代表でメコン・ウォッチの協力者でもある土井利幸さんが、昨年の大晦日のタイ英字紙「The Nation」の記事について報告してくれました。
それによりますと、現在大きな問題になっているサムットプラカン県でアジア開発銀行と日本の円借款で建設が進められている汚水処理施設がある同県バンボー郡では、年平均3.5センチの割合で地盤沈下が起こっているということです。これはタイのEPPO(環境政策・計画部)が発表したものです。この汚水処理プロジェクトに反対している住民グループは、プロジェクト地の地盤の弱さを問題の1つに挙げています。ここに巨大な汚水処理施設を建設することへの疑問を裏づけしていると言えそうです。
なおこの記事には、タイの森林面積が増加に転じたことなども報じられています。実際の記事は、
をご覧下さい。またバンボー郡の地盤沈下に関わる部分について、土井さんが要約して下さいましたので、ご紹介します。
部分要約:環境政策・計画部(OEPP)が国家環境理事会(NEB)に対して行った報告によると、シリキット・ダムやブミポン・ダムは雨量の減少のために深刻な水不足におちいる。地下水の大量利用のためにバンコクでは年平均で1〜1.5センチ、サムットプラカン県のバン・ボー、バン・プリ、バン・プーでは年平均3.5センチの割合で地盤沈下がおきている。また、タ・チン川河口からチャオプラヤー河河口にかけてのペチャブリ、チャ・アム、プランブリの沿岸部やナラティワットの口コ・ロック河の河口などでは海岸線の侵食が激しい。