メコン河開発メールサービス 2001年4月14日
タイの首相府前で座り込みの抗議行動を続けてきた、貧民フォーラムのメンバーが、新政権と納得いく合意に達し、それぞれの村に戻ることになりました。世界銀行が融資したパクムンダム、日本の援助のラムタコンダム、それにシリントンダム。タイでは過去のダム援助の残骸に多くの人々や自然環境が苦しめられています。援助した側の無関心、影響を受けて苦しむ人々の長く激しく厳しい闘い。そのギャップを埋めなければと、こうしたニュースを繰り返し配信させて頂きます。以下は、ADB福岡NGOフォーラムの土井利幸さんの翻訳です。
バンコクポスト2001年4月12日
Ampa Santimetaneedol署名記事
政府が問題解決を約束した文書に署名したことを受けて、4月12日、貧民フォーラムのメンバー数千名は帰還の途につく。首相府前で二年間にわたって行なわれた抗議行動はこれで終結する。
貧民フォーラムのPaichit Sinlarak氏が語ったところでは、抗議行動を行なっていた農民は全員郷里の村に引き上げるが、Chaturon Chaisaeng首相室担当大臣に合意文書の内容が忠実に実行される点の確認を望んでいる。合意文書によると、ウボンラチャタニ県にあるパクムンダムの水門を5〜8月の期間開放し環境影響評価を行なう。その結果に基づき水門を無期限開放するかどうかの決定を下す。
また、シリントンダムの建設によって被害を受けた400以上の世帯のために、定住先として各世帯あたり15ライの土地を割り当てる委員会を政府が設置する。
ラムタコンダムについても岩盤の爆破による周辺の塵芥被害の程度を測定する調査が行なわれる。
貧民フォーラム相談役のWanida Tantiwittayapitak氏は、合意文書は閣議で承認されPrommin Saengsuridej首相府長官によって署名されたと語った。
政府は貧民フォーラムの提案に全面的に同意し、国側と農民側の代表からなる諸委員会を設け、直面する25件の問題の解決にあたらせる。Wanida氏は一年あれば全ての問題を解決することができると述べた。
農民たちの帰還は政府が調達したトラックを使って朝から開始されるとのことである。
ダム建設によって何千人もの農民が立ち退きを受け定住先が決まっていない。このうち約1000人がウボンラチャタニ県のパクムンダム周辺に仮の住まいを設けることになる模様である。