メコン河開発メールサービス 2001年4月15日
開発に関わるガバナンスを考えるとき、その国の「汚職度」というのは気になるところです。香港にある民間のコンサルタント会社(政治経済リスクコンサルタント会社=PERC)の調査結果では、今年はベトナムが「アジアで最も腐敗した国」にランクされています。
3月19日にアジアの各紙が報じたところをまとめてみましょう。この調査は、アジアの12カ国の700人のビジネスマンに、最も汚職のない国をゼロ、最も高い国を10で評価してもらい集計したものです。
その結果、ベトナムは9.75で、ビジネスマンにとって「最も腐敗した国」の烙印を押されました。2番目に腐敗した国はインドネシアで9.5、3番目がインドで9.25でした。第4位が9ポイントのフィリピン、5位がタイで8.55、中国が6位で7.88、7位の勧告が7ポイント、マレーシアと台湾は同率8位で6ポイントとなっています。
アジアで最も腐敗が少ないとされたのはシンガポールで0.83、日本が2.5、香港が3.77となっています。
メコン河流域でここに登場するベトナムとタイについてコメントを紹介します。まずベトナム。この結果をまとめたPERC社自身、「ベトナムの国としての政治システムや構造は、インドネシアほど切迫して危機に瀕していない」(ロイター)として、この集計結果に賛成していません。「アジアで最も汚職がひどいのはインドネシア」(ロイター)という見方を示しています。
一方タイについては、フィリピン同様に汚職がひどい国にランクされています。PERC社の報告では「誰もシステムを急いで変革しようとしていないし、特に政治的な指導者層は、当たり前のこととして問題を軽く考えているようだ」と指摘しています。
なお、汚職・腐敗はビジネスにとっての障害という考え方が世界銀行等では強く持たれています。今回の調査も対象はビジネスマンです。あくまでビジネスマンにとって、汚職が不都合に感じられる度合い、という見方をするのがフェア-だというのは、私の個人的な感想です。