メコン河開発メールサービス 2001年4月17日
中国の雲南省のメコン河本流ダムに関するニュースが最近増えています。以下は人民日報の記事を、ADB福岡NGOフォーラムの田平佳子さんが翻訳して下さいました。
人民日報
2001年4月12日(木)
中国は三峡ダムプロジェクトに次ぐ、世界級の水力発電所建設の準備を急ピッチで進めている。
この小湾(Xiaowan)水力発電所は中国で5番目に長い川、瀾滄江中流に建設される予定で、Li Jiating雲南省知事は今年中に着工すると近ごろ発表した。
同発電所は、瀾滄江(メコン川上流)にある、発電量150万キロワットの漫湾(Manwan)ダム、135万キロワットの大朝山(Dachaoshan)ダムに続き3番目の大規模プロジェクトとなり、発電ユニット6基、420万キロワットの発電が可能となる。
最大の特徴はコンクリート製のアーチ型水力発電ダムで、高さ292メートル、100階建て高層ビルに匹敵する。瀾滄江水資源開発有限公司のKou Wei所長によると、世界最高を誇ると思われる同ダムは現雲南省の総貯水量に相当する150億立方メートルを貯水することができる。
瀾滄江は、チベット高原のタングラ山脈を源流とし、チベットから雲南省西双版納(Xishuang Banna)まで全長4500Kmに及び、メコン川に合流した後、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナムなどの国々へ達する。
今年中国は瀾滄江中流・下流域に既存の漫湾、大朝山発電所に加え、6箇所の水力発電所を建設し、計8箇所の発電所の総出力は1555万キロワットとなる。
小湾発電所の総工費は320億元で、過去50年の雲南省での同種のプロジェクトの費用としては最大。道路や橋の建設、その他補助プロジェクトのため無数の労働者が必要とされる。
最初の発電ユニットの操業予定は2010年。2013年までにすべてのユニットの完成を目指し、最終的には年間189万キロワットの発電量となる。その半分量を広東省や沿岸部の他省へと送電する。
小湾発電所は中国の「西電東送」(西部の豊富な資源で得た電力を上海地区、広東省、江蘇省、ほか電力不足の東部に輸送する)戦略の重要な一部となっている。雲南省は今年90万キロワット時を広東省に送電、15年後には800万キロワット時まで増える予定だ。