メニューを飛ばして本文へ移動。

    English site

[メコン・ウォッチ]

ホーム | お問い合わせ | メールニュース登録 | ご支援のお願い


イベント | メコン河とは? | 活動紹介 | 追跡事業一覧 | 資料・出版物 | ギャラリー | メコン・ウォッチについて

ホーム > 資料・出版物 > メールニュース

メコン上流浚渫にMRCが強い懸念

メコン河開発メールサービス 2001年8月5日


すでに何度かお伝えしていますが、6カ国が共有するメコン河の開発にとって、極めて重大な動きが上流域で起きています。2000年4月に結ばれた上流4カ国(中国雲南省、ビルマ、ラオス、カンボジア)の商業航行に関する合意を実現するために、上流域の浚渫が始まろうとしています。つまり航行の妨げになる浅瀬や岩場を掘削して、川を深くするというわけです。

ベトナムやカンボジアなど下流への影響を全く検討しないで進められているこうした動きに対して、メコン河流域開発の調整を担うメコン河委員会(MRC)のクリスチャンセン事務局長が、2001年7月31日のInternational Herald Tribune紙に"The Mekong Can Become Many Rivers in One"と題した批判投稿をしています。

原文はIHTのウェブサイトで読むことができますが、ここでは簡単に紹介します。

○...The Mekong Can Become Many Rivers in One


記事の中でクリスチャンセン事務局長は、6年前に結ばれた「メコン河流域の持続可能な開発のための協力にに関する合意」に触れて、「6年前、カンボジア、ラオス、タイ、それにベトナムは、メコン河流域と関係する自然資源や環境が莫大な価値を持った自然の財産であると認識した画期的な合意に署名した」と振り返っている。

しかし、「国際協定の地位を持つ」1995年のこの合意が、「今年初めての深刻な試練に直面している」という。その背景にあるのは、「上流の4カ国ーすなわち中国、ラオス、ビルマ、タイの間で結ばれた商業航行に関する合意の発表である」。「この合意では、中国雲南省のシマオからビルマとラオスを経由してタイまでの主要な航行ルートを切り開くことになっている」。

クリスチャンセン事務局長は、メコン河の航行を支配することは19世紀から20世紀初めにかけて、フランス植民地主義がかかげた目標であり、ラオスのコーンの滝がその夢を打ち砕いたが、今や「新しい貿易ルート、すなわちラオス、ビルマそれにタイ東北部という開発が遅れている地域を通る」ルートが開拓され、「明らかに地域の人々に利益をもたらし、より大きな市場を作り上げるであろう」と述べている。

「しかし」と事務局長は続け、2つの面から問題を提起する。1つは中国からの安い輸入品と下流国の小規模の生産者が競争しなければならなくなる点。もう1つは、「そのような航行ルートのために必要な河川改修、つまり砂洲や浅瀬を取り除いたり、川床を浚渫することは、魚の再生産に影響を与えるし、下流の水の流れを変化させる恐れがある」という点である。

「メコン河下流域の人口の4分の3は、主に農民や漁民であり、生活の糧を川から得ている。それゆえに、この新しい河川交易ルートが、こうした人々の生活にどのような影響を及ぼすかを完全に考慮することは極めて重大である。そのために、やっとまとめ上げた国際的な合意を通じて作り上げた政策や基準、それに知識は不可欠なものである」、クリスチャンセン事務局長はこう述べている。

そして、1つのセクターが他を犠牲に利益を得ることを批判的に指摘した上で、「全ての関係者が、メコン河を共有する6カ国と席を共にし、健全な管理のルールを作り上げる時である。参加者の中には、アジア開発銀行、ESCAP、世界銀行、UNDP、二国間ドナー機関、それに市民社会グループが入るべきであろう」と呼びかけている。

「課題は、メコン河の開発による利益を平等に共有し、環境への害を最小限にするために、どのような管理するべきか、その道を見つけることである」とクリスチャンセン事務局長は記事を結んでいる。

このページの先頭へ

サイトマップ
特定非営利活動法人 メコン・ウォッチ
〒110-0016 東京都台東区台東1-12-11 青木ビル3F(地図
電話:03-3832-5034 Fax:03-3832-5039 
info@mekongwatch.org
© Mekong Watch. All rights reserved.