メコン河開発メールサービス 2001年8月8日
最近メコン河開発全体の枠組みをめぐって動きが活発になっています。上流四カ国がメコン河委員会と相談せずに上流の浚渫を進めようとしていたり、日本政府がメコン河開発の枠組みの整理のためにミッションを派遣したり、ASEANの首脳会談でもメコン河開発支援が中心議題になってきたりしています。その中で、1992年以来、大メコン地域経済協力(GMS)を進めてきたアジア開発銀行(ADB)は、新たな枠組みの検討をしているようです。以下、バンコクポストの記事を、ADB福岡NGOフォーラムの土井利幸さん(ウボン大学教員)が翻訳して下さいました。
Bhanravee Tansubhapol署名記事
バンコクポスト、2001年8月4日
アジア開発銀行(ADB)がメコン地域の開発プロジェクトを援助するためには、流域国がさらに明確な方向性を打ち出す必要がある、と昨日ADBの幹部職員が語った。
これは岩崎よしひろADBプログラム西局局長の発言で、同局長によれば、ADBはタイ政府がいわゆる大メコン圏構想を押し進める努力を支持するが、そのためにも関係諸国がより明確な協調の枠組みを作る必要がある。今後開催される一連の会合でそうした枠組みが生まれる可能性があるということだ。
大メコン圏は、ビルマ・カンボジア・ラオス・タイ・ベトナム・中国にまたがっている。
カンボジアのフン・セン首相がタイのタクシン・チナワット首相に提案した首脳会談の場では、この六ヶ国が集まり優先させるプロジェクトを絞り込むことが期待される。
タイのスラキアット・サティアンタイ外相は岩崎局長のことばを借りて、ADBとしては流域各国がギャップを埋め協力関係を具体化する目的で政府高官会合を開催するのであれば、資金を提供する準備があると語った。
この会合は首脳会談に向けた議題を準備する重要なステップと見られる。
また、スラキアット外相はベトナム・ラオス・タイを結びビルマやインドにまで到達する道路の建設とラオス北部から中国南部にまたがるプロジェクトを取り上げ、タイ政府としてはこれらを優先させたいと述べた。
さらに、岩崎局長は外相との会談の中で、メコン地域でのADBの活動を監督するための地域事務所をタイに開設する計画についても確認した。