メコン河開発メールサービス 2001年12月29日
ベトナム中部のカンボジア国境近くに建設が進められてきたヤリ滝ダム(セサン川/メコン河の支流)が、完成したというニュースが流れてきました。すでにお伝えしておりますとおり、このダムは一部完成した段階で、下流への放水によってカンボジアの北東部で大きな社会環境被害をもたらしています。以下の新華社電は、そうした問題については全く触れず、ベトナムの天上知らずの電力需要の伸びを報じています。なお、日本政府はベトナムのエネルギーセクターには、円借款を通じて多額の援助をしています。
新華社通信(2001年12月12日)
ベトナムのヤリ滝水力発電所は、12日朝、最後のタービンが運転を始めて完成し、全国送電網に電力を送っている。ヤリ滝ダムには4つのタービングループがあるが、そのうち最後の1200トンのタービングループは180メガワットの能力があると、水曜日のベトナムニュース社は伝えている。
中央高地のザライ省にあるこの発電所の4つ目のタービンが正式に運転を始めたことで、ヤリ滝ダムは総出力720メガワットを持ち、全国送電網に36億8千万キロワット時を送り、ベトナムの中部と高地に電力を供給する。
発電所の最初のタービングループは2000年6月23日に発電を始めた。これまでに、3つのタービングループで33億キロワット時の電力を産出し、国内の全電力の12%をまかなってきた。
ヤリ滝水力発電所は、ベトナムにおいて、北部ホアビン省のダー川にあるホアビンダムに次いで、国内で2番目に大きな発電所である。
ベトナム電力公社によれば、ベトナムは今年400億キロワット時の電力が必要である。この数字は、2005年には460億から490億キロワット時に増加すると見られ、更に2010年には780億から820億、2020年には2000億キロワット時に需要が増加するということだ。