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ラオス・ナムトゥン2ダム>買電契約へ

メコン河開発メールサービス 2002年2月2日


すでに10年以上にわたって問題となっているラオスのナムトゥン第2ダム計画の最近の状況をお伝えします。

ナムトゥン第2ダムは、現在の計画では、発電能力は1060メガワット程度、総工費はラオスのGDPに匹敵する11億ドルという巨大プロジェクトです。発電した電気のほとんどはタイへ輸出される予定です。

現在投資しているのは、フランス電力公社が35%、タイのEGCO社とラオス電力公社が25%ずつ、それに再建中の大手ゼネコンのイタリアンータイ開発社が15%となっています。

この巨大プロジェクトは、ラオス中部のナカイ高原を450平方キロ(琵琶湖の4分の3)沈め、3千世帯以上に影響を与えることになります。なによりも大きな問題は、建設資金がないにもかかわらず、すでに水没予定地の伐採はほぼ完了し、住民移転が一部始まっているのです。

環境影響調査は、水没地の伐採が終わり、住民移転が始まっている中で行なわれているという杜撰さです。こんなプロジェクトを生き長らえさせているのが、10年前にあのパクムンダムを支援した世界銀行なのです。

世界銀行は、この巨大プロジェクトを、この間ずっと「パイプラインプロジェクト」として、生かさず殺さず巧みに支えてきました。日本からの約1億円の無償援助(PHRD基金)も入っています。世界銀行は、投資企業へのリスク保証と、ラオス政府への融資(IDA)を検討しています。

世界銀行の融資なしにこのプロジェクトを進めるのは困難でしょう。その1つのかぎを握っていたのが、電気を買う側のタイ発電公社とダム投資企業の間の買電契約の締結でした。タイは現状でも、電力消費量の50%を超える余剰電力を抱えています。過去3度、買電契約は延期されました。

2002年1月17日に、派手なセレモニーとともに調印式が結ばれるはずでしたが、これも延期。理由は、タイ発電公社が契約を再吟味するためでした。といいますのも、つい最近、高速道路建設をめぐって、企業からタイの別の公社が、620億バーツ(約1900億円)もの賠償金を請求されていることが大きな問題になっているからです。

民間会社とタイの政府系企業が結んだ契約が、タイにとって不当に不利になっていないかどうかが、焦点になっています。

こうした中で、1月28日のロイター(ラオス・カンムアン県発)は、タイ発電公社が、2月5日にバンコクで初期買電契約(Initial Power Purchase Agreement)を投資企業と結ぶと伝えています。それによりますと、2008年から25年間ナムトゥン第2ダムから920メガワット分の電力をタイ発電公社は購入することになり、その額は年間2億ドルに達する見込みです。

最終買電契約は6月の予定ですが、重要な詳細は初期契約で合意しなければならないとロイター電は伝えています。

一方2月1日のタイの英字新聞The Nationは、もしこの買電契約が結ばれれば、高速道路に続いてまたしてもタイの納税者が大きなリスクを背負うことになると批判的な社説を掲載しています。

1つ目のリスクは、プロジェクトの行方が世界銀行次第であり、その世界銀行がいつ融資を決めるか全くわからない、2つ目は近い将来電力プール制を導入し、買電価格を市場原理で決めるようになった場合、プール制導入でラオス側が失った利益をタイ側が補償するのかどうか、だと同紙は伝えています。

何よりつらいのは、すでに伐採によって森林資源を失った被影響住民たちです。ダムが計画されているので、ほとんどの援助事業が、この地域を敬遠します。何をやってもダム湖に沈むかもしれないからです。ナムトゥン第2ダム計画は、建設しないでも、すでに多くの苦しみを地域住民に与えています。

全ての元凶は日本が第2のドナー国となっている世界銀行が、関与を断ち切らないところにあります。タイのパクムンダムで、あれだけ地域住民の生活と生態系を破壊したことを、また繰り返すのでしょうか?

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