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ビルマ・ダム>水力発電を優先

メコン河開発メールサービス 2002年2月12日


軍事政権下のビルマ(ミャンマー)で、益々水力発電ダム計画が重視されているようです。以下の記事に出てくるYeywaプロジェクトは日本工営が実施可能性調査をしています。


タン・シュエ議長、「水力発電プロジェクトを優先」

キャリア・ニューズ・サービス、2001年12月26日

ラングーン発‐ビルマ経済の工業部門の発展をスピード・アップするために、主要な水力発電プロジェクトの遂行が優先される、と今週タン・シュエ議長は述べた。

軍・政府高官を前にした基調演説の中で、タン・シュエ議長は、2006年まで続く現在の政府第三次五ヵ年開発計画で三つの水力発電プロジェクトに特に力を入れる、と述べた。三つのプロジェクトとは、マンダレー近郊Myithnge川のYeywa プロジェクト(発電量780メガワット)、計画開始から長期間が経過しているBiliin川のプロジェクト(同280メガワット)、Pyinmana近郊のPaunglaung川でのプロジェクト(同280メガワット)である。

ただ、これまでの経緯からすると、Yeywa とBilinの両プロジェクトの完成が第四次、あるいは第五次開発計画にまで食い込む可能性もある。1996年に着工したPaunglaungプロジェクトは現在2003年完成が予定されているが、この二つのプロジェクトは未だ計画段階を脱していない。

ビルマ軍事政権の一番の頭痛の種は資金繰りである。Paunglaung プロジェクトには2億5000万米ドルの予算が計上されており、うち約3分の2は中国が低利借款として提供する。この分は、中国雲南省にある会社から購入する機械類の費用に充てられる。YeywaとBilinプロジェクトに関しては、概算で1メガワットの発電につき100万ドルずつ、したがって両プロジェクト合計で10億ドルを越す借款が必要となると予想される。

タン・シュエ首相は、24件以上の水力発電プロジェクトが1991年から10年の間に完成した点を自信に満ちた調子で強調したが、これらのプロジェクトの大半がコミュニティーを運営主体とした、発電能力1メガワット未満の小規模プロジェクトであり、合計してもわずか150メガワットの電力を新たに供給するに過ぎない。

現在建設中の水力発電所は、Paunglaungプロジェクトと、Shwebo地域のMu川に最近完成したばかりのThaphanseikダム・プロジェクトの二ヶ所のみである。現在建設中でBago管区東部にあるSittaung集水域のダムとMagwe管区西部にあるMon川のダムにも、最終的に250メガワットを供給する発電所が建設される予定ではある。また、シャン州北部を流れるShweli川に発電所を作る計画も協議されている。

1990年代の新たな電力供給の大半は、天然ガス火力とディーゼル油によるものであったが、内陸部での天然ガス生産量は年に10%の割合で減少している。また輸入ディーゼル油は価格が高い。1990年代の工業化にあいまって急速に成長した民間による発電のほとんどがディーゼル油によるものである。

シャン州東部からの報告によれば、ここ数週間で三つの発電所建設計画が延期されたという。工事の中止と再開が繰り返され、物議をかもし出してきたメイフラワー・グループ出資によるTachilekの褐炭火力発電所の工事も最近再び中止になった。これは褐炭燃料の産出が予想していた量に満たなかったか、もしくは発電所までの燃料輸送費が高くつくためであるという。

『シャン・ヘラルド』紙今週号の報道によれば、Kaeng-tawng地域での二つの小規模水力発電プロジェクトも中止になった。

(翻訳:会津菜穂/サセックス大学アジア・アフリカ研究)


水力発電所建設が延期に

シャン・ヘラルド・エージェンシー・フォー・ニューズ、2001年12月24日第12‐15号

サルウィン川支流のNamteng川に水力発電所を建設するプロジェクトが少なくとも5年は先送りにされた、とシャン州南部の情報筋が伝えた。

延期は、一ヶ月間に同プロジェクトに携わった62名(うち中国人19名、ビルマ民間人21名、ビルマ兵22名)が死亡したことを受けたものであるという。

中国人技術者34名、ビルマ人労働者80名、警備部隊200名からなる総勢300名の一行は、11月4日Mongnai群のKengtawangから14.4キロ南にあるZong-arng の滝に到着した。中国人グループの先導をつとめたのは、54歳ぐらいの「チェン」という男性だった。

「最初の二週間、一行は宿所や機材置き場の建設にかかりきりであった。われわれ周辺地域の村人も全員が建設に関わった。ビルマ人の労働者だけは自分で宿泊所を建てた」と情報筋は述べている。

11月19日、水場での作業の初日に、中国人一名が滑って岩に頭を打ち即死した。また船が転覆し、ビルマ人二名も同じ命運をたどった。さらに11月19日から12月10日の間に、マラリアと下痢が蔓延し、結局12月12日には全員がトラックに乗って現場を離れてしまった。

Khin Maung Myint地域司令官(大佐)は、その後Kengtawngの首長に、プロジェクトを5年間延期したと伝えた。

Namteng川支流のTeng Kawn川にある Fahpa滝でのプロジェクトも、「雨季には多すぎる水量、乾季には少なすぎる水量」のために頓挫した、と情報筋は伝えている。U Thaung Htun率いるビルマ人の調査隊が8月12日に現地に入っている。(「#08 - 17サルウィン川近郊に建設される新水力発電所」(#08 - 17 A newhydro-electricity plant to be built near the Salween)を参照のこと)

Zong-arngの滝はシャン州内で最大の滝であり、MonghsuのNamparng川にあるOmpuの滝が二番目である。

「少なくとも神様はまだ我々を見捨てておられない。」素性が知れると親類縁者に迷惑がかかる可能性があるために匿名を希望した情報筋は述べた。

(翻訳:会津菜穂/サセックス大学アジア・アフリカ研究)

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