メコン河開発メールサービス 2002年2月13日
日本のODAのうち、返済しなくていいのが無償資金協力です。その15%程度を占めているのが、「債務救済無償資金協力」という聞きなれない援助。債務の多い貧困国に対して、かつて日本が貸した円借款を返済した場合、同額の無償援助を行なうというものです。日本は債務帳消しができないから、この協力で債務を救済しているというのが日本政府の答弁です。
しかし、この「債務救済無償資金協力」は大きな問題を抱えています。モラルハザードを防ぐために、この援助は両国で合意した物品の購入に充てられ、何を購入したかなどを2年をめどに日本政府に報告しなければなりません。
ところが7年たっても、この援助を受けた国の半分が使途報告書を提出していません。メコン・ウォッチでは、バングラデシュに次いで2番目に多い700億円もの「債務救済無償資金協力」を受けたビルマ(ミャンマー)について調査しました。
95年〜98年までの4年間の債務救済援助の使途報告書を情報公開請求して入手分析をしたところ、わずか4年間で50億円もの使途不明金が見つかったのです。
しかも、使途が明記されたものを見ても、2番目に多い26億円近くをミャンマー木材公社が伐採用重機などの購入に充てていることがわかりました。
ワシントンDCの世界資源研究所(WRI)によりますと、この国では、伐採利益は、人権侵害で問題となっているビルマ軍の増強につながっています。つまり、日本の債務救済援助が結果的に軍の拡大につながっているのです。
今回の調査結果につきましては、現在発売中の月刊現代3月号に「対ミャンマーODAで外務省の杜撰に驚愕 われらの血税50億円が使途不明金に!」として掲載されています。是非ご一読下さい。