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パクムンダム>メコン大ナマズ戻る

メコン河開発メールサービス 2002年2月18日


長年にわたる住民たちの抗議行動の末、昨年水門開放を勝ち取ったタイのパクムンダム。今年のはじめ、世界銀行の支援でダムが建設されて以来はじめて、メコン大ナマズが捕獲されました。

以下は、タイのNGOからの報告を邦訳したものです。


ムン川にメコン大ナマズ戻る

東南アジア河川ネットワーク

メコン大ナマズは鱗を持たない淡水魚としては世界最大の魚である。2002年1月4日、パクムンダムの上流にあたるウボンラチャタニ県ピブーンマンサハーン郡、タ・チャン村とノンプー村の間のコームボック漁場で、パクムンの住民によってこのメコン大ナマズが捕獲された。

天然のメコン大ナマズがムン川で捕獲されるのは、10年前にパクムンダムが建設されて以来、初めてのことである。これまでムン川で捕獲されたメコン大ナマズは、全て人工的に養殖されたものであり、天然のナマズに比べると小さい。今回捕獲された「魚の王様」は、昨年パクムンダムの水門が開放されてから遡上してきたものと思われる。

メコン大ナマズは絶滅の危機に瀕しており、メコン河とその支流にしか見られない。また、国際自然保護連合(IUCN)の「絶滅のおそれのある生物種のレッドリスト」にも名前が挙がっている。この回遊魚は、繁殖期になると、産卵のためにメコン河上流とその支流に遡上し、産卵が終わると、カンボジアのトンレサップとメコン河下流の湿地帯に戻っていく。

パクムンの住民によれば、パクムンダムが建設される以前には、ムン川で天然のメコン大ナマズが捕獲されていたという。このことからムン川がメコン河流域の回遊魚にとって重要な生態系であることが分かる。

パクムンダムの水門を恒久的に開くことが、「魚の王様」を絶滅の危機から守る道を切り開くことにもつながるだろう。

写真は東南アジア河川ネットワーク(SEARIN)のホームページ(www.searin.org)を参照。

(翻訳:東 智美/一橋大学大学院)

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