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パクムンダム>水門降りず

メコン河開発メールサービス 2002年6月17日


水門開放予定日を過ぎたタイのパクムンダムですが、まだ水門は閉ざされていません。以下、タイ字新聞の記事を、メコン・ウォッチの木口由香が翻訳しました。


EGAT、パクムンダムの水門をおろせず
チャワリット、ウボン大の調査結果を待つよう指示

プーヂャッカーン紙6月15日

ウボンラチャタニ発ータイ発電公社(EGAT)はパクムンダムの水門を閉められず失望、もし問題がおきれば、内閣が自分で解決すればいいと不満を表明。今後起きる損害は、賛成・反対の住民同士で解決するよう、負担を押し付けた。一方のサマッチャーコンヂョン(貧民フォーラム)は、閣議決定の内容に不安をもっている。EGATが早めに水門を閉めるのを恐れ、ダムサイトで静かに監視を続けている。

閣議で決まった1年の水門開放期日が終了したことを受けて、EGATが水門を閉める準備をしていたパクムンダム問題。EGATのランク11技師、スウィット・プーンヴィエンシィ氏(パクムンダム責任者)の署名で、ウボンラチャタニ県のシリントン、コンジアム、ピブンマンサハン、の各郡の村長に水門閉鎖に注意するよう書簡が送られていた。パクムンダムの上流では14日以降、貯水のため水位が海抜108mまで上昇するはずであった。ダムの上流の河岸や水上の建造物が損害を受けないよう、事前通告は行われていた。

だが最終的に、内閣の関係者と「貧民フォーラム問題解決委員会」の座長であるチャワリット・ヨンチャイユット副首相が13日夕方電話によるインタビューの中で、8月終了予定のウボンラチャタニ大学の調査結果が出るまで、水門開放を継続するよう指示したことを明らかにした。これに対しEGATのスウィット氏は不快感をあらわにし、今後何か問題が起きてもEGATは一切関係しない、と発言している。

スウィット氏は、「パクムンダムの水門開放が期日を迎え、EGATは14日に水門を閉鎖するよう様々な面で準備を続けてきたが、延期の指示が事前に入ってきた。EGATは起こりうる様々な損害について指摘してきた。今後、EGATは内閣の指示に従うのみだ。国民が受ける利益・損害は国民自身が要求したものである。EGATは(水門開放について)電力や魚を失うだけである、と前から言っている。毎回、合意した期日が来ると、貧民フォーラムの要求に従って延期をしている。今後、どのような損害がでても、地域住民が自分たちで合意して対処すればいい」と語った。

一方、水門の永久開放を求める貧民フォーラムのメンバーは、政府の決定を知ると各自それぞれ喜びを現わした。しかし、内部で行事を行う以外、(デモ行進など)社会に対して直接行動を取ることは控える、としている。

情報筋によると、住民リーダーらは、政府の指示に確信がもてずEGATが以前のように(指示に従わず)水門を閉めてしまうのではと不安に思っており、それぞれ状況分析にいそしんでいるという。なぜなら、今回の指示は(副首相の)見解であり、閣議決定ではないからだ。

貧民フォーラムの顧問であるソムパーン・クーンディさんによると、この件について住民はまだ安心できないでいると言う。なぜなら、(政府は)EGATに対し水門開放を続けるよう命じてはいるが、口頭で行われたもので、確たる証拠としての書面あるいは閣議決定が出たわけではないからだ。

ソムパーンさんはまた、「住民が今必要としているのは、公式な指示と政府が社会に対して(水門開放の継続を)明らかに宣言することだ。来週には、10−11日にピブンマンサハン郡のサプー早瀬(公園)で集められた水門の永久開放を求める8500名の署名を住民代表が首相府の内閣に届ける」と語った。

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