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ベトナム中部のダム>プレイクロンダム建設へ

メコン河開発メールニュース 2002年8月31日


ベトナム中部高原の電源開発が急ピッチで進められています。メコン河最大の支流の1つであるセサン川には、ロシアとウクライナの支援で建設されたヤリ滝ダムがありますが、かつて日本のODAやアジア開発銀行の支援で調査されたセサン第3ダムの建設が6月に始まりました。

これに加えて、中部高原第3のダムとしてプレイクロンダムの建設が来年にも始まる見通しとなったというニュースです。セサン川は、ベトナム中部高原からカンボジアの北東部に流れ込み、ストゥントレンでメコン河本流に流れます。唯一完成しているヤリ滝ダムをめぐっては、下流のカンボジアで季節はずれの洪水や水質汚染が大きな問題となり、カンボジアのNGOなどはベトナム中部高原のダム開発の中止を求めています。

以下、アジアパルス電のニュースをベトナム国営通信(VNA)が伝えたものです。


ベトナム政府が中部高原で3番目の水力発電所を承認

2002年8月29日

ベトナム国営通信(アジアパルス電)

ファン・バン・カイ首相にフィージビリティ調査が提出されていた中部高原で3番目となる水力発電所について首相の承認が得られ、来年にも建設が始まる見通しとなった。

これはセサン川のプレイクロン・プロジェクト(110メガワット)で、コンツムとザライという2つの省にまたがっている。建設費用は2億ドルで、6年後に完成すれば年間で6億2000万キロワット時の電力を発電する。

その一方で、270メガワットのセサン第3ダムの建設は今年の6月に始まった。セサン第3ダムは、ザライ省チュパー郡にあるヤリ滝ダム及び隣接するコンツム省サタイ郡から20キロ離れた場所で建設が始まった。

更に、330メガワットのセサン第4ダムが首相の承認待ちだ。このダムのフィージビリティ調査はすでに首相に提出されている。

100メガワットのセサン第3Aダムと220メガワットの高コンツムダムは、この地域でパイプライン(準備検討中)状態にある更に2つのダムである。ベトナム電力公社によれば、これら全てができあがれば、1800メガワットになり、ベトナム最大の水力発電所であるダー川のホアビンダムに匹敵するということだ。

これらのダムによって年間およそ87億キロワット時を発電する。これは西暦2000年のベトナムの総発電量の3分の1にあたる。投資資金は17億ドルとみられ、主に国内の資金源から調達される予定だ。

ベトナム電力公社の専門家は、セサン川に一連の小規模な発電所を建設することは、1〜2の大規模ダムを作るより、経済的により筋が通っていると主張している。中部高原の社会経済発展に貢献するだけでなく、これらダムの貯水池は広大な地域を灌漑することにもつながるだろう。

専門家たちはもう1つ別の点でこれら一連のダムを支持している・・・それは小規模で居住地域から遠く離れているため、発電所が引き起こす破壊が最小限にとどまるだろうという点である。

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