メコン河開発メールニュース 2002年11月6日
11月3日にプノンペンで開催された初めての「メコン首脳会談」に関する共同通信の報道です。記事で触れられている、プノンペンーホーチミンを結ぶ道路の拡張工事に伴う社会影響については、私どもが発行している「フォーラムMekong」で近々お伝えする予定です。
共同通信ニュース速報
【プノンペン3日共同】メコン川流域開発計画(GMS)は、アジア開発銀行(ADB)の資金力をバックに、交通、通信網を中心とするインフラの整備を通じ、域内の経済発展の可能性を引き出そうという一大プロジェクトだ。
しかし流域で各国が進めるダム、道路建設など各種の事業が川の水流を変化させ、下流のカンボジアなどでは漁獲量の減少や川岸の崩壊といった被害が報告されている。環境保全のための国境を越えた協力を実現していけるかが、今後の課題となりそうだ。
GMSの事業として進んでいるプノンペン―ホーチミンを結ぶ道路の拡張では、沿道住民に十分な移転補償が行われていないとの不満の声も上がっている。
上流の中国が大型船舶航行のために岩礁を爆破したことから水流に変化が生じ、下流の漁業に影響を与えているとの指摘もある。
カンボジアのフン・セン首相はGMS首脳会議の冒頭で「適切な管理をしなければ、地域の豊かな潜在力も枯渇してしまう」と警鐘を鳴らした。
ADBメコン局の坂井和企画調整課長は「今後は開発中心の協力から、環境重視の地域協力へと発想を転換する必要があるかもしれない」と話している。
[2002-11-03-19:31]