メコン河開発メールニュース 2002年11月24日
日本のODAを使ってバンコク近郊のサムットプラカン県クロンダンに建設が進められている日処理量52万トンという東南アジア最大の汚水処理場に関する続報です。
この事業をめぐっては、処理後の水を流す汽水域で貝の養殖を行なっている漁民たちから、激しい抗議が行なわれています。また、処理場の土地取得などをめぐる汚職が指摘され、タクシン首相自らが不正があったことを認めています。にも関わらず、日本政府は問題発覚後もODA資金を払い続けています。
援助実施機関である日本の国際協力銀行(JBIC)も、2億3000万ドルを融資したアジア開発銀行(ADB)も、抜本的な解決策を講じないため、住民たちは実力で工事を阻止し続けています。
このまま操業されれば、世界銀行が融資したパクムンダムのように、完成後もずっと住民たちは生活を賭して抗議を続けることになると危惧する声が高まっています。
以下、新任の担当大臣が、独自調査で問題が確認されれば、計画を変更して、海洋動物研究センターにすると発言したというニュースです。
バンコクポスト、Ranjana Wangvipula
2002年11月23日
タイ天然資源環境省のPraphat Panyachartrak大臣は、サムットプラカン県のクロンダンに建設中の汚水処理施設について、もし来月出す結論で計画撤回が決まれば、海洋動物研究センターに転用されるかもしれないと語った。
研究センター案は、政府の調査がプロジェクトが実施可能でなく、また環境を脅かす可能性を確認した場合の、政府側の1つの選択肢だった。
総事業費230億バーツというこの汚水処理場問題に対してPraphat氏は、先月大臣に任命された直後に関心を寄せた。
彼はプロジェクトを調査するチームを編成し、不正な行為に関する情報収集を行なってきた。大臣は来月何らかの決定をすると見られている。
不正な行為には、70パーセントという異常な予算超過や、入札過程や土地取得にからむ問題が含まれている。
プロジェクトに反対している人たちはまた、施設からの処理後の水の放流が、海域の塩分濃度を下げ、クロンダンの貝の養殖に影響を与えると訴えている。