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メコン上流浚渫>ビルマ52団体が早瀬爆破中止を要請
メコン河開発メールニュース 2002年12月29日

バンコクの土井利幸報告の続きです。先ほどの報告が長文でしたので、2回に分けさせて頂きました。以下は、ビルマの少数民族組織が在バンコク中国大使館に提出した早瀬爆破中止を要請する書簡です。


ビルマ少数民族組織からの書簡は、上流浚渫・爆破工事が環境破壊だけではなく、ビルマの人々により大きな苦しみをもたらす可能性が高いという重要な点を指摘しています。

なお、各書簡の英語原文と中国語訳は以下のサイトに掲載されています。

ビルマ52団体によるメコン河早瀬爆破中止要請書簡

在バンコク中華人民共和国大使殿

ビルマ52団体によるメコン河早瀬爆破中止要請

2002年12月12日

ビルマの草の根地域社会および民衆運動を代表する私たち諸団体は、メコン河航路改善計画に対する懸念を表明する書簡をここに提出いたします。

私たちは同計画に強く反対します。この計画にはビルマをはじめとするこの地域で生活する多くの人々の利益は反映されていません。私たちはこの計画が自然環境および流域に住む何百万の人々に看過できない大被害をもたらすと考えます。メコン河の早瀬・岩礁爆破計画は、被害住民との協議もなしに、正当と認められていないビルマの軍事政権を担う国家平和開発評議会(SPDC)との合意で作り上げられたものです。

メコン河集水域をはじめ、多民族が住み天然資源が豊かなビルマの諸地域で、血も涙もないビルマ軍事政権が現地の住民たちを抑え付けてきました。こうした地域ではビルマ軍による圧政が強まり、強制労働・土地没収・強奪・拷問・性的虐待・超法規的虐殺など少数民族系市民に対する人権侵害が日常化しています。

東部境界をメコン河が流れる東シャン州でもそうした侵害があたりまえのこととなり、私的な商業活動権の認可と引き換えに軍政に協力を誓った地元の民兵たちの存在が問題をいっそう先鋭化させています。この認可には天然資源を活用し薬物を生産する権利も含まれています。アカ、ラフ、ロイラ、エン、シャンなどの諸民族が住む村が貧困状態に置かれている一方で、木材や金などの天然資源が武装したエリートたちの利益のために失われていくのです。

メコン河航路改善計画が現在のビルマ軍政との関係の中で実施されれば、軍とビジネス・エリートたちだけを利することは明らかです。彼らだけが一帯の商業活動を牛耳っており、交易の機会が増えれば東シャン州の天然資源の破壊を加速させるだけです。森林伐採はすでに警告を要する割合で進行しており、環境保全などは欠けらもありません。

私たちは、この計画で天然資源の収奪が加速されることに加えて、メコン河の早瀬の爆破が魚類、メコン河の全生態、メコン河に依存した生活を営む人々にもたらす取り返しのつかない被害に対しても大きな懸念を抱いています。この計画のために実施された環境影響評価は致命的な欠陥があると激しく批判され、実際に起こる被害を視野に入れていません。ビルマ軍はこうした環境被害にはこれっぽちも目を向けず、他国の政府や関係機関も環境保全を優先課題としてきちんと取り上げていません。

私たちは、開発に関する決定はいかなるものでも影響を受ける現地の人々との協議の上でなされ、住民の間に広い合意が形成されなければならないと考えます。

ビルマの人々に、自分たちの資源や土地に影響を及ぼす決定に関与する権利が認められるその日まで、現ビルマ政権と国際的な開発の合意が成立するようなことがあってはなりません。特に今回のような未来に及ぶまで深刻な影響をもたらす協約は問題です。

私たちは、下記の条件が満たされない限り、メコン河航路改善計画の即時中止を求めます。

敬具

52団体署名(団体名省略)

転送:在バンコク・ラオス人民民主共和国大使、パパット・パンヤチャタック・

タイ天然資源・環境大臣


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