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メコン上流開発>フンセン首相が懸念表明
メコン河開発メールニュース 2003年2月16日

2月11日にカンボジアのプノンペンで、カンボジア政府、メコン河委員会、国連食料農業機関(FAO)が主催して、大河シンポジウム(Large Rivers Symposium2)が始まりました。世界中から河川管理の専門家、計画官、高官が200人が参加しています。

その機会に、カンボジアのフンセン首相が、メコン河上流開発について懸念を表明しました。

以下、メコン・ウォッチの土井利幸(バンコク)の報告です。ン河本流ダム


メコン河上流開発についてはかねてからカンボジア政府が公式・非公式に憂慮を表明して来ましたが、今回はフン・セン首相が自ら懸念を表明したというAPの記事(日本語訳)です。

フンセン首相、メコン開発が命の源(みなもと)トンレサップ湖を枯渇させる恐れを警告

2003年2月12日AP

Ker Munthit署名記事

【カンボジア・プノンペン発】2月11日火曜日フンセン首相はメコン河上流域での開発プロジェクトを無頓着に進めるとトンレサップ湖が枯渇する恐れがあると警告した。トンレサップ湖は貧困国カンボジアにとって魚類の宝庫として重要である。

環境保護団体は、中国国内でのダムや運河建設がメコン河の環境を脅かしていると指摘している。

中国はカンボジアにとって同盟国であると同時に、海外投資や開発援助の供給国としても需要である。フンセン首相は発言の中で具体的な国名はあげなかった。

全長4,880キロメートル(3,030マイル)のメコン河の源流は中国にあり、ミャンマー(ビルマ)、ラオス、カンボジア、ベトナムを流れながらトンレサップ湖をはじめ支流に水資源を供給している。【1】

フンセン首相によれば、メコン河上流で行なわれている水力発電用ダムの建設や航路拡充のための浚渫工事がカンボジアをはじめとする下流国に「大きな不安」を与えている。「結果として…トンレサップ湖が干上がるかも知れず、(あげくのはてには)淡水漁業の壊滅につながる」と首相は河川管理に関する国際会議の場で発言した。

「トンレサップ」は「偉大なる湖」を意味し東南アジアで最大の淡水湖。地元住民たちは何世紀にもわたってこの湖で取れる魚に依存し生活している。雨季には約一万平方メートル(3,900平方マイル)に達する面積が乾季には大幅に縮小する。

近年カンボジア政府関係者はトンレサップ湖の魚が減少していると認識しており、これを上流での開発のためだと考えている。

「嘘ではない。トンレサップ湖が干上がればカンボジアだけではなく地域一帯が影響を受ける」とフンセン首相は語った。「水位の変化が重要な要素で…これがあって一帯の人々の生活や生物多様性が持続可能になっている。」毎年訪れる雨季に満水となったメコン河の水がトンレサップ湖に流れ込み、この水が氾濫源をなし魚に産卵場所を提供する。

訳者注【1】:原文のまま。通常メコン河流域国にはこの五ヶ国にタイが加わる。

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