ホーム > 資料・出版物 > メールニュース >ベトナム電力>日本の円借款ODAは15億ドル
日本のODAがベトナムの電力セクターに大量に流れています。ベトナムの大型水力発電ダム開発を支援するのは今や日本のODAだけです。
以下、最近のベトナム電力セクターの最近の動向について、メコン・ウォッチ翻訳ボランティアの栗林健太さんの翻訳です。
BBC Monitoring International Reports
2003年2月10日
Voice of Vietnam text web siteより
現地時間2003年2月9日付け(ハノイ)
ベトナム電力公社(EVN)は、ベトナムの工業化と近代化に重要な役割を果たしている。これまでEVNは発電のために全ての可能性のある資源をかき集めてきた。
世界の経済学者は、ベトナムが過去2年間の電力開発において中国に続き2位にランク付けた。過去2年間に、ベトナムは水力発電所をヤリ滝、ヒン川、ハムトゥアン・ダミーに、またフーミーガスタービン発電所をバリア・ブンタウに建設し運転を開始した。
現在ベトナムの電力生産は350億キロワット時で、これは1997‐98年の2倍にあたる。2000年からは全ての県(district)と80%の社(Commune)が送電網を利用できるようになった。2010年までの基本計画によると、さらに37の発電所がベトナムに作られる予定だ。
昨年ベトナムは4つの発電所の建設を開始した。それらは北部クアンニン省のウオンビ火力発電所の拡張、中部高原のセサン第3水力発電所、南部バリアーブンタウ省のフーミー第4ガスタービン発電所、そして北部トゥエンクアン省の水力発電所である。計画されている37の発電所の内訳は、水力が27、ガスタービンが8そして残りが火力となっている。
国家電力開発基本計画に関してEVNのDao Van Hung総裁(General Director)は「EVNは4つの大型プロジェクトを受け持っている。北部の石炭を燃料とした火力発電所建設計画、河川と水力発電所の全国的なネットワークの開発、2010年までに全ガスタービン発電所のネットワークの開発、そして、全ての発電所から消費者へ電気を供給するまでのリンクを容易にする全国的な送電網の開発である」と語った。
EVNはイギリス、フィンランド、ドイツ、ロシアそして中国などの主要なエネルギー供給会社を含む世界の100以上の会社や企業との関係を作り上げた。これらの国との協力はその分野の労働者の知識を高めるのに役立った。EVNは世界の名だたる電力会社から成るCIGREE機構に加盟した。
EVNへの日本からの政府開発援助は15億ドルの低利ローンである。EVNはイギリス、フランス、フィンランドそしてドイツからも援助を受けている。しかしながら、ベトナムにおける一人あたり電力生産量はたったの340キロワット時である。一方、隣接する国々においてはタイが2000キロワット時、中国が1200キロワット時、マレーシアが2500キロワット時、そしてシンガポールが5000キロワット時となっている。工業国となるためには国民一人あたり3000キロワット時以上が必要不可欠である。
ベトナムの電力資源の潜在力は高く、石炭、石油、ガスや水力などがある。しかし、2015年以降ベトナムはこれらの資源が不足しASEANメンバー10か国による電力網に連結して他の国々から輸入しなければならなくなるだろう。
ベトナム政府はEVNと工業・建設省に、ベトナムでの原子力発電に関する初期実施可能性調査の骨格作りを命じた。原子力発電所は少なくとも20年の準備期間を必要とする。技術者の一団を訓練し発電所を安全に運転できるまでに15年はかかる。Hung総裁は「ベトナムは2005年までに530億キロワット時、2020年までに2000億キロワット時の電力を生産するはずだ」と付け加えた。すなわち、20年後には1人あたり平均で1800キロワット時になる計算だ。