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メコン上流浚渫>タイ上院議員がラオス訪問
メコン河開発メールニュース 2003年3月21日

先月、タイ上院の住民参加委員会議長らがラオスを訪れ、メコン河上流浚渫の問題についてラオス政府当局者と話し合いました。当初は、商業航行は中国やタイの利益に資するだけで、ラオスには悪影響だけが及ぶと語っていたメコン河委員会のラオス国内委員会が、今回は、影響は限定的という見解を示しています。以下、ビエンチャン・タイムズ紙の記事を、メコン・ウォッチ翻訳ボランティアの山本美奈子さん(アメリカン大学4年)が翻訳してくれました。

爆破は大きくメコン河を変えないだろう―政府関係者

ビエンチャン・タイムズ

2003年2月7-10日

タイ政府関係者は、メコン河の河川航行能力を改善するプロジェクトに対して懸念を示した。メコン河の自然地理上の変化が、メコンの生態系に悪影響を及ぼす可能性を指摘した。

2003年2月4日にラオスの首相府を訪問したタイ政府関係者は、プロジェクトが地域の環境やメコン河の両岸に住む(タイとラオスの双方の)住民に与える可能性がある被害について懸念を述べた。また、早瀬が爆破されるとどのような影響が予想されるのか尋ねた。

「中国とラオスのボケオ県を結ぶ航路改善プロジェクトは、早瀬が爆破されることによって、メコン河沿いに住む住民に深刻な被害を与える恐れがある」、タイ上院の住民参加委員会の議長であるCharmsak Pinthong氏は言う。

「早瀬が爆破されれば、川の流れが変わり、流速が速くなることで、川岸の侵食が進む恐れがある。また、雨季に川が氾濫したり、乾季に水位が極端に低くなったりした場合には、川沿いに住む人々の農地を潰しかねない」と付け加えた。

中国が支援するプロジェクトのもとで、すでに9つの早瀬が爆破された。その中には、中国からそれぞれ135キロ離れたNamleuy、195キロ離れたTang-or、65キロ離れたLuangtayの早瀬が含まれている。以上は、ラオスの政府関係者の話である。

「メコンの早瀬は魚の産卵場所であり、川海苔が育つ場所でもある。しかし、すべての早瀬がなくなったならば、タイのチェンコンとラオスの ボケオ県の間で、メコン大ナマズが産卵できなくなってしまうだろう。メコン大ナマズは、雨季には川の水が濁るため産卵を嫌い、水の透き通る時期にしか産卵しない。もし早瀬がこのまま河川航行のために爆破され続ければ、水は常に濁った状態になり、メコン大ナマズは生存の危機にさらされるであろう」とCharmsak Pinthong上院議員は言う。

滞在期間中の2月4日の夕刻、Charmsak氏の一行は、ラオスの国内メコン委員会のSitaheng Rasphone副議長と首相府で会談し、航路改善計画がメコン河流域国であるラオス、タイ、ミャンマー(ビルマ)、それに中国に、良い面、悪い面も含めてどのような影響を与えるかを話し合った。

タイの上院委員会側からは、住民参加に関しての多くの質問が出された。タイ上院委員会はメコン河の両岸に住む住民の生活環境について、はっきりとした懸念を持っていた。

Sitaheng Rasphone副議長はこれに対して、メコン河流域の国々の間で、プロジェクトの実際の影響や利益に関する十分な研究がされていないため、答えることはできないと返した。

「もし100トンから150トン級の船しか運航しないのであれば、それほどの悪影響はないかもしれない。我々はこれからもメコン河流域の住民に対して、水位に関する情報が行き届くようにして問題解決策を探っていくよう努力するつもりだ」とSitaheng副議長は述べた。

「地方行政関係者とも会合を開き、プロジェクトに対する意見も聞くつもりである」と締めくくった。

航路改善計画の主たる目的は、中国とボケオ県間のメコン河航行を改善し、ラオス、タイ、中国、ミャンマー(ビルマ)などメコン地域の国々の間で、貿易関係や観光を交流・推進させることである。

「河川航行に邪魔な早瀬だけを爆破しているのであって、メコン河にあるすべての早瀬を爆破しているわけではない」とは、ラオスメコン河委員会のBoriboun Sanasisan副局長(deputy general)の言い分である。

彼は付け加えて、事業がもたらす被害はメコン河周辺の住民にとって最小限のものとなるであろう、とした。というのは、ラオスは中国と協力して、何度も水位計測を行なった結果、プロジェクトの初期と比べ、あまり水位に変化が見られないことがわかったからだ。このプロジェクトは、ラオスをメコン地域における輸送の中継国とする政府の政策に沿って行なわれている。このプロジェクトによって、ラオスの北部に住む人々の農業生産や、船を使った輸出への意欲はより高まるだろう、というのが彼の見解だ。

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