ホーム > 資料・出版物 > メールニュース > 世界銀行水戦略 > ダムへの回帰
すでにご存知の方も多いと思いますが、世界銀行がまとめた水資源戦略で、ダムへの復帰を示唆しています。過日世銀東京事務所で開催されたセミナーでも、品質保証遵守ユニットの上級職員が、世界銀行がダム支援を再開することを明言していました。
世界銀行自らがイニシアチブを発揮した世界ダム委員会(WCD)報告書の勧告を受けて策定された水資源戦略が、逆にダム批判的なWCD勧告に引導を渡した形になりました。90年代のセーフガード政策充実の時期を経て、世銀は再び大規模破壊への道を進むのか、最初の試金石は、ラオスのナムトゥン2ダムです。
以下、メコン・ウォッチのボランティアの柿元えり子さん(熊本市)の翻訳です。
2003年2月27日
BBC Martin Plaut記者
世銀は、新水戦略を導入した。
これまで、ダム及びその他の様々の大規模プロジェクトは、それをめぐる議論が巻き起こり、中断されていた。
ところが今、これまで大きな批判を浴びたような計画に関与しないならば、世界中の貧困層の要求を満たすことが出来ないと、世銀は判断した。
設立当初の50,60年代ごろには、世銀融資ダムはまさにそのトレードマークだった。
大きいことは素晴らしいこと。世銀の専門家達は自ら建設するダムに助言するため、世界中を回った。
すぐに現地活動家たちは、ダムや用水路は多くの住民を立ち退かせ、地元コミュニティーを崩壊させ、貧困はそのままだと非難した。
生息域は全て破壊されたと、環境団体が非難すると、世銀はそれから手を引き、大規模ダムは完全に議題から外された。
だが、また世銀は戻ってきたのだ。
世銀は、いかなる抗議があろうと、大規模プロジェクトへの支援なく貧困層のニーズを満たすことはできないと述べている。
しかしながら、世銀は、過去の過ちに学び、ダム計画に戻る前に慎重な影響評価を実施するとも語っている。
「自らの評判でなく、プロジェクトのよる影響を配慮しなければならない」、世銀の水問題上級顧問John piscoeは、主張した。