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漫湾ダム、大朝山ダムに続き、総発電能力4200メガワット(堤体292メートル)の小湾ダムをメコン河本流(中国名:瀾滄江)に建設している中国・雲南省の電力供給に関するニュースです。
メコン・ウォッチのインターンの山口健介さん(東大大学院)の翻訳です。
2003年3月18日、11:06:00(GMT)
上海(Interfax−China)ー中国のエネルギー問題は、石油関連ではない。中国南西部雲南省は、同国最大の水力エネルギー資源の集積地であるが、現在深刻な電気不足に直面している。地元の雲南電力グループ社の職員によれば、政策立案者は、企業・個人による電気消費に対して、厳重な制限実施を現在迫られている。
同職員はまた地元紙「雲南日報」に、以下のように語った。多数の企業が、雲南電力グループ社に押し寄せ、各社の操業に影響する電力不足および断続的な停電に対して不満を示している、と。さらに同職員によれば、今年の同省における1日あたり平均電力需要は、雲南省電力網の発電容量を約500万キロワット時超過しているとのことである。最近になって、同省の1日あたり平均発電容量は約9500万キロワット時に達したが、急速な需要増加に追いついていない。同省の電力消費量は前年比14パーセント増だった。
電力不足の要因として、同省の急速な経済発展はその1つであるが、その一方で同省が他の発電に較べ、水力発電容量に強く依存していることにより生じている、
季節的な問題もある。雲南省の水力発電設備は、昨年11月以来その全容量が稼動しているが、需要に対して不足している。同省の火力発電所もその全容量が稼動している状態だが、発電設備の規格は劣化していると指摘されている。2ヶ所の30万キロワット級発電設備は、現在整備が必要とされており、今のままの状態が続けば今後発電容量がさらに落ちる恐れがある。
3月の終わりまでに、雲南省の主要水力発電所に供給している貯水池の水位低下は、危険な段階に入るであろう。そのとき同省は更なる電力不足に直面することになる。雲南省電力グループ社の職員は「雲南日報」で次のように提案した。雲南省地方行政府は石炭供給を管理し、それと同時に同省全体での電気使用の制限を義務づけるべきである、と。
Interfaxが最近報告したように、雲南省における多数の新規の水力発電所建設により、同省の全設備容量は2002年末までに920万キロワットに達した。同省では現在電力消費量395億キロワット時に対して、発電電力量は2001年比18.8パーセント増で427億キロワット時に達した。
今年雲南省は、西電東送プロジェクト(WEPT)の重要な柱として、余剰32億キロワット時(前年比136.1パーセント)の電力を中国南部広東省へと送電したが、現時点では電力返送を求めてしかるべきかもしれない。雲南電力社の職員によれば、雲南省が同省の電力不足を緩和するためには、隣接した貴州省だけでなく広東省からも電気を買おうとせねばならないとのことだ。