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メコン上流浚渫>タイの早瀬の爆破は凍結?
メコン河開発メールニュース 2003年4月22日

中国が資金を出して進めているメコン河上流の浚渫について最近のニュースです。

船の安全航行を図るために行われている浅瀬や早瀬の爆破が、地域住民の生活に欠かせない魚の生息に重大な影響を与えるものと懸念されています。

11の浅瀬・早瀬の爆破が予定されている第一フェーズのうち、唯一タイ領内に位置するコン・ピ・ルアン早瀬について、タイの内閣は環境影響とラオスとの国境問題を理由に凍結する可能性が出ています。

以下、今月からメコン・ウォッチに加わった東智美(ひがし・さとみ)の翻訳です。

メコン河航行
タイ内閣はコン・ピ・ルアン早瀬の爆破計画を凍結の可能性
国境、生態系の問題への懸念から

Kultida Samabuddhi記者

バンコク・ポスト、2003年4月8日

内閣は、メコン河の航路改善プロジェクトの一環であるチェンライ県のコン・ピ・ルアン早瀬の爆破計画を停止させる可能性がある。理由はタイーラオス国境の線引きを更に混乱させないためである。

チャワリット副首相の提案を受けて、今日の閣議で、この計画を延期するかどうかが関係機関によって議論される。

チャワリット氏は、タイ・ラオス両国がメコン河の中に引かれている国境をめぐる争いが解決されるまで、この計画を延期すべきだと提案している。

軍部によると、もし岩礁の爆破が続けば、川の流れに変化が起こるために、タイは川の中の国境地帯の一部を失うことになるという。

このプロジェクトは、1992年、中国政府主導の下で、より大きな貨物船の航行を可能にすることによって国際貿易の連携を向上させようとする目的で始められた。

中国、ビルマ、ラオス、それにタイは2001年6月、川幅の拡大に合意した。このプロジェクトの最初のフェーズにおいては、およそ11の岩礁が除去されることになっている。そのうち9つはラオス側にあり、1つは中国−ビルマ国境、そしてもう1つがタイのチェンセン郡とチェンコン郡にまたがるコン・ピ・ルアン早瀬にある。

昨日(4月7日)、匿名の海事局の官僚が語ったところによると、4月15日に中国所有の企業が水路を深くするため、コン・ピ・ルアンの爆破を始めることになっていたが、タイ−ラ オス間の川中の国境問題が解決していないことから、計画を延期しなければならなかったということだ。

また彼によると、中国のある官僚が、中国政府はこの作業のために2億5000万バーツを寄付しており、もしこの作業が4月末までに完了することができなければ遺憾であると語っ ていたいう。

「最も危険な岩礁や浅瀬は、すでに中国の作業員によって除去された。第1フェーズで最後に除去されたものは、コン・ピ・ルアンの北40キロのビルマーラオス国境にあったものである」とその官僚は語った。

500トン級の船が中国の雲南省からラオスのルアンパバーンまで直接航行することを可能にするために、第2フェーズでは、さらに51の岩礁が爆破されることになっている。

一方で、プラパット天然資源環境大臣は、昨日(4月7日)、同省はこのプロジェクトの環境面での影響を調査するために、環境問題の専門家のチームを立ち上げると述べた。

このプロジェクトは、メコン河の生態系にとって、多大なダメージを与える可能性があるとプラパット大臣は語った。

チェンマイに拠点を置く東南アジア河川ネットワーク(SEARIN)のチャイナロン代表は、プロジェクト延期の要請を支持しており、プロジェクトが延期されることによって、関係機関が包括的な環境影響調査を行うことも可能になるだろうと述べた。

「環境問題は、国境問題と同様に重要な問題である。プラパット大臣はこのプロジェ クトに対する行動を起こさなければならない」とチャイナロン氏は語った。

彼は、コン・ピ・ルアンは、世界最大で最も有名な淡水魚の一種、メコン大ナマズ(プラー・ブック)のタイにおける最後の産卵地だと訴えた。

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