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ホーム > 資料・出版物 > メールニュース > メコン上流浚渫 ＞ 主要な部分の爆破は終了
メコン河上流域の回遊魚とそれに支えられた住民生活への影響が懸念されている上流の早瀬の爆破工事（浚渫）に関するニュースです。商業航行を活発化させるためのこの浚渫は、3つのフェーズに分かれていますが、現在第1フェーズの2年目が終了したところです。第1フェーズで残っているは今年終わりから来年3月までの乾季のみ。中国は、下流国の合意も得られていると強気の構えのようです。
メコン・ウォッチで中国雲南省を担当している大澤香織の報告と中国語の新聞の翻訳です。
メコン河上流浚渫工事の主要な部分が完了したということについて、中国の２つの新聞からの記事です。中国側は工事が４カ国が批准したEIAにのっとったものであり下流や周囲への環境影響は全くないということを強調しています。またカンボジアやベトナムなど下流国もこのプロジェクトを支持していると印象づけようとしています。
中国水運報 ２００３年４月２１日
及び中国交通報 ２００３年４月２５日
伝えられるところによると、中国、ラオス、ビルマ、タイの４か国政府によって共同批准され、中国側主導により施工が進められてきた４ヶ月以上にわたるメコン河上流浚渫工事は、浅瀬の爆破、浚渫工事を経て４月１５日に完成した。中国の技術団は近く帰国する。４月２１日、雲南省人民政府は昆明において会議を召集し、上流航路改良工事についての４か国の専門家、施行、設計、監理および環境保護の担当者らが参加した。各方面からは、継続的な協力によって出来るだけ早期のうちに中国、ラオス、ミャンマー、タイ、カンボジア、ベトナム６か国による航行を実現することが必要だという意見が表明された。
メコン河上流浚渫工事は２００１年６月２６日、中国、ラオス、ビルマ、タイ４か国による瀾滄江−メコン河商業航行が実現して以来、メコン河上流の船舶航行の安全を妨げる２１箇所の浅瀬や岩礁を取り除く目的で、中国政府の資金援助により実施している４か国共同の水運建設事業である。２００２年から２００３年までの２度の乾季において、国長江重慶航路工程局、広西海上運輸工程局、雲南省道路港湾工程公司、武漢華通監理公司、中交第二海上運輸勘測設計院および雲南省環境観測所のプロジェクトに関係する約４００人の技術者らは、4か国政府が批准した『環境影響評価報告書』の要求に基づき、９ヶ所の浅瀬、１１の岩礁、4つの早瀬など計２４箇所について障害除去の作業を行った。
統計によれば、すべての工程において取り除かれた暗礁は12万立方メートル以上、浚渫された浅瀬は400立方メートル以上である。これによりメコン河上流における航行条件は改善され、航路の半径、幅および水深を増大、流れの悪いところを解消、４か国の船舶の安全な航行を確保した。
特筆すべきこととして、中国側はすべての施行期間において厳格な環境保護的措置を採用し、例えば魚を捕ること、狩猟、樹木の伐採、焼畑などを厳禁；生活ゴミは集中的に処理し、入り江や周辺へむやみに捨てることを厳禁；工事用の船舶は水と油を分離して保管、工事の終了後には中国に持ち帰り、まとめて処理を行う；油汚れが入り江に漏れることのないよう厳しく管理し、現場への進入と退出を規定時間内に行うということを厳格に管理するなど、沿岸における生態環境の保護を効果的に行った。
工事の期間にはメコン河下流のカンボジア、ベトナムの二カ国がそれぞれ別々に監察員を派遣し、現場における実地調査を行った。彼らの認識では、メコン河上流航路の改良工事の工程量は少なく、改良工事後の航路の水流と生態環境には変化をもたらさず、下流国の環境保護面において影響が出ることはないとみられている。また、彼らの語ったところでは、「この工事は確実に川の沿岸に暮らす人々に便益をもたらす。私たちは上流国と強力に協力し、あわせてこれららの良い経験を参考にしたい。」とのことだ。
この工事が完了するのに伴い、メコン河上流の航路の航行条件は大きく改善し、航行する船舶は100〜150トンから200〜250トンへ、輸送能力は80％〜100％向上する；メコン河上流の航行期間は将来的に６〜７ヶ月から10〜11ヶ月へと向上する。