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メコン上流開発>沿岸の経済発展(中国の視点)
メコン河開発メールニュース 2003年6月3日

メコン河(中国名は瀾滄江)上流の商業航行に関するレポートです。

中国主導で進められている早瀬や浅瀬の爆破によって、下流の人々の間に漁業影響などの面で懸念が広がっているというニュースはこれまでも何度かお伝えしてきました。

以下は、中国の新聞が、瀾滄江沿岸の経済的な変化をレポートした記事です。メコン河の浚渫を進めたい中国側の視点が非常によくわかるかと思います。ボランティアの斉藤真奈美さんが、中国語の記事を翻訳して下さいました。

メコン河上流沿岸が経済地帯になる

中国水運報 2003年5月19日

瀾滄江―メコン河国際河川運輸の発展は90年代初頭から始まり、すでに10年目となった。この10年間で中国、ラオス、ミャンマー(ビルマ)、タイの四カ国の協力による国際水運大通路が開発され、沿岸における経済地帯建設ブームを巻き起こしいる。

2000年4月21日、中国、ラオス、ミャンマー、タイの4ヶ国政府は正式に商業船航行関する合意に調印、水運建設を中心とする沿岸の経済開発地帯が徐々に形成されてきている。

以前は、メコン河上流沿岸には村はほとんど見られなかったが、今では山の上に住むアカ族や、ラオスン族が次々と川沿いへと居住地を移したため、ラオス、ミャンマー、両国沿岸には、多くのにぎやかな町が造られた。ラオスのバン・シャンゴー、マンモー、ミャンマーのスオレイ、ワンバンでは、料理店や、病院、カラオケ屋などが開業され、商売が始められた。先にこの水上運輸を利用して富を得た一部の商人は、立派な一軒家をたてた。

2000年からミャンマーとラオスはそれぞれ300万元余りの投資を開始し、メコン河沿岸のスオレイ、ワンバン、マンモー、ナム・タにおいて年間貨物揚げ下ろし量10万トン級の埠頭を建設した。毎年、10万トン近い中国の果物、雑貨、建築材料、電気製品などがこれらの港で揚げおろされている。町の定期市では、商店で売られている商品の60%が中国製である。

タイ政府はメコン河国際水上運輸の発展の大きなチャンスをつかみ、自国経済を発展させる機会を逃さなかった。彼らは1997年初期には3800万元の投資を行い、年間揚げおろし量30万トン、12万人が利用するチェンセン港を建設した。同時に2箇所の桟橋をつくり、一度に8隻の100トン級船舶を停めることが可能となった。

また、海事、移民局、港湾管理局などを水運に関する局をまとめた総合的なビルがつくられる。チェンセン港は今年4月にすべてが完成する予定であり、タイ北部地域の「玄関」、かつ最も重要な貨物集散地となる。

タイ、メコン川のもう一つの重要な港口であるチェンコン港では増設工事が急がれている。この工事には330万元が投資され、元の埠頭よりも前方を69m延長し、港を21m広くし、21個ある船着場を造り建設後は500トン級の船を停船させることができる。

メコン河のチェンコン、チェンセンの二つの港の完成は、タイ北部のチェンマイ、チェンライ、メーホーソン、パヤオの4地方政府の経済発展にだけでなく、タイ、ミャンマー、ラオス国境の三角地帯のいわゆる「ゴールデン・トライアングル」の経済発展にもよい作用をもたらしている。近年、三ヶ国の政府はケシの栽培を厳しく規制し、国民に対してケシの代わりにコーヒーや穀物の栽培をするよう指導している。多くの人々がメコン河の便利な水運によって、水上運輸事業に従事をするようになり、商品の輸出入、水上観光などの商売をして、「ゴールデン・トライアングル」の人々の生活を豊かにしている。統計によると、毎年10万トン近い貨物が、中国船によって「ゴールデン・トライアングル」地区から中国国内に運ばれ、その大部分がコーヒーと米である。

中国国家計画委員会、国家観光局、国務院西部開発部ではすでに「瀾滄江−メコン河観光ルート」を西部の重点的な観光路線として定める予定である。統計によると、2001年6月から2002年6月までの中国、ラオス、ミャンマー、タイ四カ国による正式な航行が開始されてから一年間の間に、景洪港から乗船し国境を越えた旅行客は12841人に達し、その中で外国籍を持つ者は1124人、およそ10カ国の国と地域におよんだ。2001年シーサンパンナのモーハン港から第三国(その他の国)に出入りした観光客は5343人、そのうち入国したのは2235人である。開港以来、すでに36カ国と地域からの観光客が入国した。

昨年の年末に雲南省人民政府はシンガポール、マレーシア、タイ、ミャンマー、ラオス、カンボジア、ベトナム七カ国と共同で瀾滄江−メコン河観光ルートを建設することを決定し、以下の6つの観光ルートを打ち出した:中国、ラオス、ミャンマー、タイ、カンボジア、べトナムの六カ国ルート;シンガポール、マレーシア、タイ、ミャンマー、中国の五カ国ルート;タイ、ミャンマー、ラオス、中国の四カ国ルート;中国、タイ、シンガポールのルート;中国、ベトナム、カンボジア、タイのルート。

瀾滄江ーメコン河水運国際大通路の開通は、地域の道路、鉄道、港湾、貿易、観光や技術協力などの面における発展にも波及効果を及ぼす。これはまさにメコン河上流沿岸の経済地帯が形成されつつあることを表している。

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