ホーム > 資料・出版物 > メールニュース >ラオス・ナムトゥン2ダム > 電力計画から削除へ
メコン河流域最大のダム計画ーラオスのナムトゥン2ダムをめぐる攻防が続いています。タイ発電公社(EGAT)と買電合意(PPA)を結ぶ前日に、フランス電力公社が開発企業体から撤退を発表して宙に浮いたままになっていますが、昨日EGATの総裁が記者会見しました。
その中で、今月末までに目処が立たなければタイの今後15年間の電力計画から削除すること、中国の参入に期待が高まっていること、などを述べています。
以下は、本日(2003年9月17日)のバンコクポストの記事から、ナムトゥン2に関わる部分だけを翻訳したものです。
タイ発電公社(EGAT)は、もし今月末までにプロジェクトを進めることができるという確証を得られなければ、ナムトゥン2ダムを、タイの電力開発計画(PDP)から落とすことになる、EGATのSitthiporn Ratanopas総裁はそう語った。
総裁は、今後15年間のPDPの年次改定を完成させるため、この点について明確にするようラオスの機関に手紙を送ったことを明らかにした。
ナムトゥン2ダムから輸入する920メガワット分の電力は、現時点でタイがラオスから購入する3000メガワットの電力の一部としてPDPに含まれている。しかし、ナムトゥン2ダムの将来については、フランス電力公社が8月にプロジェクトからの撤退を表明して以来、どうなるか定かでない。
Sitthiporn総裁は、中国開発銀行が、この12億ドルの水力発電プロジェクトに資金協力を拡大することに関心を持っていると語った。
総裁は、中国の国営銀行が、このインドシナ最大の水力発電ダムプロジェクトの資金提供者として見込まれていた世界銀行に取って代わる可能性があると語った。EGATはこのプロジェクトの唯一の電力購入者である。
世界銀行は、フランス電力公社がナムトゥン2の開発企業体から撤退したことで、プロジェクトの支援に消極的な姿勢を示している。
開発企業体の残りの出資者であるラオス電力公社、タイのEGCO社とイタリアンータイ開発社は、フランスの国営電力会社の代わりに、この中国国営の銀行の子会社である中国国営機械電気会社(China National Machinery and Electric Co)がパートナーになることを望んでいる。
Sitthiporn総裁によれば、銀行との交渉は、同行の系列会社とのパートナーシップに焦点をあてて進んでいるということだ。
このダムプロジェクトに必要な資金の70パーセントは、世界銀行やその他の融資機関から調達する予定である。