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前回、メコン河支流のセサン川ベトナム側に建設されたヤリ滝ダムによるカンボジア側の被害と抗議運動についてお伝えしました。
その中で触れましたように、カンボジア側の懸念を逆撫でするかのように、ベトナム政府はセサン3ダムなど次々と新たなダムをセサン川に建設すると発表しています。セサン3Aダムに関する以下の報道では、影響はわずかと宣伝しています。
ラオスのセコン川沿いのダムへの積極的な投資、カンボジアに影響を及ぼすセサン川のダム開発・・・ベトナムが急速にメコンの川を破壊しようとしています。以下、少し古い記事ですが、ベトナム国営通信社の記事を、メコン・ウォッチの土井利幸(バンコク)が翻訳しました。
ベトナム国営通信社(VNA)
2003年4月9日
【ザライ】先週土曜日(4月5日)ザライ省のPleiku市から65キロにあるIagrai県のセサン3A水力発電所で作業が始まった。
同じセサン川で行なわれているヤリ水力発電計画の下流に建設されるこの発電所は、中部・南部諸省のために年間4億7900キロワット時の電力を供給する。
この建設計画にはソンダ建設公社が1億2000万米ドル(約144億円)を注入する。Nguyen Tan Dung副首相は、この発電所がヤリ水力発電所計画やセサン3発電所とともにタイグエン(中央高地)の社会経済開発および安定に貢献する、と語った。
ソンダ建設公社のCao Lai Quang氏は、発電所最初のタービンが2006年までに、二基目が2007年までには運転可能になる、と語った。
セサン川には全部で六つの水力発電計画があり、最終的には総量で87億キロワット時の発電を行なう。これはダー川にあるベトナム最大のホアビン水力発電所の発電量に匹敵する。
年末までには予定額2億米ドル(約240億円)をかけて四番目の発電所の建設も開始される予定である。
政府が所有するベトナム電力公社の職員によると、これらの発電所は居住地域から離れており、ほとんどが小規模であるため、引き起こす悪影響はわずかである。