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大メコン圏>雲南閣僚会議-SCMP紙社説
メコン河開発メールニュース 2003年10月13日

先月、中国雲南省の大理で開催された「第12回大メコン圏地域経済協力(GMS)閣僚会合」に関する現地からの報道第4弾です。

今月8日までバリで開催されていた一連のASEAN首脳会談で改めて強調された中国とASEANの緊密化は、9月のGMS閣僚会合でかなりできあがっていたことがわかります。メコン河流域国のインフラ開発は、今や中国とASEANの自由貿易を進める動脈になりつつあります。

中国は「人権問題などに関する内政不干渉」と「流域全体の利益を図る自由貿易推進」を旗印に、メコン河流域国政府の人気を得る一方、日本は「長い間のASEANの恋人だが、そろそろ化粧直しが必要」などと言われています。しかし、その基盤を作っているのが、アジア開発銀行(ADB)による多額の援助であり、ADBの最大資金供与国が日本なのです。

ADBのメコン河開発が作り上げる中国-ASEANの自由貿易、それがこの地域で自然資源の恵みを受けながら暮らす人々にどのような影響を与えるのか、大きな課題となってきました。

以下の記事は、メコン・ウォッチのボランティアの伴昌彦さんが翻訳して下さいました。

社説:メコンの国々へと向かう潮流

South China Morning Post

2003年9月20日

4800kmに及ぶ広大なメコン川は、その流れが潤す周辺の多様な地域にとって、生命を司る血流である。この広範囲に及ぶ水流は、川が育む天然資源の恩恵を被る6か国の間に極めて重要な結びつきを産み出している。しかし、これらの国々の間で、通商や開発における協力関係を築くことは必ずしも容易ではない。こうした背景から、昨日終了した中国・タイ、ベトナム・ミャンマー(ビルマ)・ラオス・カンボジアの貿易・財務担当大臣の参加した(雲南省の風光明媚な大理で行われた)会議において進展が得られたことは、将来に期待を持たせた。

大メコン圏地域経済協力(GMS)プログラムは広範囲に及び、鉄道や道路の建設、貿易の障壁の低減、持続可能な開発プロジェクト、麻薬売買の取り締まりなどを含んでいる。

しかし、最も意義のある進展が得られたのは貿易の領域である。この地域における、より迅速で容易な商品輸送につながる越境協定が、最後に残ったミャンマー(ビルマ)の調印によって6か国全てによって締結された。その協定により、関税の審査が簡素化され、道路や通信網の整備が推進されるであろう。

昆明からシンガポールを結ぶ基幹となる鉄道のプロジェクトも進行中である。観光や投資を増進するため、外国からこの地域への旅行者に対して、共通ビザを整備する計画も進められている。これらのプロジェクトはアジア開発銀行(ADB)から多額の貸与を受けてきた。過去10年間に渡って、地域間の経済的な結びつきを更に強化するためにこの地域に注入された金額は、およそ30億ドルに膨れ上がった。

6か国は川を通じてつながっているだけでなく、強い文化的、歴史的な結びつきを持っている。しかし、貧困への取り組みという共通課題を抱えた国同士の協力を相互不信や競争心が妨げてきた。

近年において、統合の進展に対しては、最大の経済規模を持つ中国による地域支配につながることを危惧する傾向が主流だった。しかし、今週行われた会議では、こうした懸念が徐々に乗り越えられている兆候が見られた。中国の指導者およびADB関係者は、中国の経済力が、より密接な協力関係によって、総じて地域の利益になる、というメッセージを伝えることに格別な努力を行ってきた。

メコンの国々、特に川への依存度が相対的に高い下流域の国々が、川の産み出す貴重な自然資源の保護を望むことは理解できる。しかし、相互調整とコンセンサスによるアプローチの方が、全ての国の利益につながるであろう。貿易の制限の緩和および、より緊密な関係の発展は、地域間の共通市場の基盤を作り出すであろう。貿易を通じて、これらの国々の人々の間で、相違が乗り越えられ、そのことのもたらす利益が理解されることが期待されている。

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