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少し古くなってしまいましたが、メコン河流域の水利用を調整する政府間機関であるメコン河委員会(MRC)のトップが交代するというニュースです。
日本の農林水産省出身の的場氏のあとを受けて第2代事務局長(CEO)となったKristensen氏がメコン河委員会を去りました。以下は、メコン河委員会のプレスリリースですが、これを読むといかに的場氏の時代が問題を抱えていたかがうかがえます。メコン・ウォッチのボランティアの松浦美紀さんの翻訳です。
2003年6月20日 プノンペン
メコン河委員会プレスリリース No.9/03
4年間メコン河委員会の事務局長を務めたJoern Kristensen氏が、2003年9月末で退任することになった。
Kristensen氏は、事務局がバンコクからプノンペンへ移転して間もない1999年にメコン河委員会事務局長に就任。任期中、援助国からメコン河委員会への支援額は、年間200万ドル(1998年)という低い水準から、現在の1500万ドル前後まで増加した。また、15か国以上から科学者、研究者、技術者および事務職員を含めて総勢125名ほどがプノンペンの事務局で働くようになった。
2002年の事務局会計報告書によると、1990年代の終わりに赤字であったメコン河委員会の運営資金は現在黒字になった。2002年9月には、優れた河川流域管理に対して、「Thiess Services International Riverprize」賞が、オーストラリアのブリスベーンで授与された。
任期を振り返り、Kristensen氏は、「メコン河委員会の活動は国際的に認められるレベルに達し、メコン河下流域を共有する4か国の協力と対立防止を進めるため、流域に住む人々の組織としての大きな可能性を実感し始めることができる」とコメントした。
今回の退任は、メコン河委員会の事務局をプノンペンからビエンチャンに移す交渉が成功裡に終わったことと時機を合わせ、政府間機関のメコン河委員会の指導者交代にタイミングがよいというKristensen氏の決断である。
Kristensen氏は、メコン河委員会に来る前は、東南アジアのNGOや国連行政関連で上級職を20年以上に渡り務めた。開発および人道援助活動プログラムにおいてマネージメントやコーディネーションの経験豊富な熟練した社会経済学者である。
メコン河委員会は、メコン河下流域4か国であるカンボジア、ラオス、タイ、それにベトナムにより、1995年「メコン河流域の持続可能な開発のための協力協定」のもとで設立された政府間機関である。
メコン河委員会は、複数国にまたがって影響を及ぼす問題に特別な焦点を当てる。
水利用、河川流域開発、水質監視の分野で、4か国間の計画プロセスを支援する。
また、漁業管理、安全航行、トレーニング、それに能力向上にも携わっている。
現在は、新しい地域洪水管理/緩和プログラムの実施について、最終交渉を始めるところである。