ホーム > 資料・出版物 > メールニュース > メコン河委員会 > ビエンチャンに事務局移転
メコン河流域の水利用を調整する政府間機関であるメコン河委員会(MRC)の事務局は2004年6月までに、現在のカンボジアの首都プノンペンからラオスの首都ビエンチャンに移転します。
日本政府等は資金の無駄遣いに苦言を呈していたようですが、移転自体は96年に加盟4か国で合意していたものです。根拠としては、MRC事務局は、「メコン河沿いに位置する加盟国の首都」が相応しいとされ、チャオプラヤ川沿いのバンコクと紅河沿いのハノイが対象から外れ、結局プノンペンとビエンチャンに5年ずつ置くことで決定された経緯があります。
以下、MRCのプレスリリースをメコン・ウォッチのボランティアの松浦美紀さんが翻訳しました。
2003年6月7日 プノンペン
メコン河委員会 No.7/03
メコン河委員会の事務局が、2004年6月までに、現在のカンボジアのプノンペンから、ラオスの首都のビエンチャンに移転する。
メコン河委員会の執行機関である合同委員会による移転勧告が、6月6-7日にプノンペンで開催された合同委員会の第17回年次会議の閉会時に発表された。この決定は、メコン河委員会の大臣級機関である理事会(Council)の会合において2-3日中に正式な決定となる予定である。
メコン河委員会事務局は、最初はバンコクに設置され、1998年にプノンペンへ移転した。今回のビエンチャンへの移転勧告は、5年ごとにプノンペンとビエンチャンの間で移転を繰り返すという1996年に締結された4か国間の合意に基づくものである。
合同委員会では、このほかプノンペンに地域洪水管理センターを設立することを承認した。この新しいセンターは、業務開始後最初の6年間に1200万ドル前後の予算で、洪水管理・緩和に関わる調整や技術的なサービスを加盟国の4か国に提供すると共に、現在事務局が現在引き受けている洪水予報業務を拡大するために作られた。事務局の現行洪水関連活動には、衛星を使った洪水地図、予報、それにメコン河流域の洪水多発地域における集落単位の警告システムの開発などがある。
メコン河委員会は、カンボジア、ラオス、タイ、それにベトナムにより、1995年「メコン河流域の持続可能な開発のための協力協定」のもとで設立された政府間機関である。再生可能な資源の管理という全体的な枠組みの中において、水の量と質の問題、流域開発計画、漁業管理、安全航行の推進、農業開発、洪水緩和、それに水力発電計画などの分野で、地域の協力を調整している。
メコン河委員会は、理事会、合同委員会、事務局の3つの常設組織で構成され、理事会は各メンバー国につき閣僚1名、合同委員会は政府高官、事務局は125名のスタッフで構成されている。資金面では、各メンバー国及び援助ドナーなどから年間総額1200〜1500万ドルに上る運転資金の提供を受けている。
本件についてのお問い合わせは、メコン河委員会事務局コミュニケーションオフィサーのMs Delia Paulまで電話、ファックスまたは電子メールにてご連絡ください。電話番号:855-23) 720-979 / (855-12) 807-979 / FAX: (855-23) 720-972電子メールアドレス: delia@mrcmekong.org