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メコン河開発メールニュース 2004年1月20日
サルウィン川上流(中国語名:怒江)に中国が13ものダムを計画していることに対して、下流のタイ北部を中心とする市民グループが、抗議の意思表示を強めています。
South China Morning Post
2003年12月19日
SIMON MONTLAKE記者(バンコク)
タイの環境運動家たちは、東南アジア第2の長さのサルウィン川上流に中国が13ものダム建設を計画していることに抗議している。
今週バンコクの中国大使館に書簡を送り、下流のコニュニティへの社会環境影響評価が実施されるまで建設を差し控えるよう求めた。
その中で、(下流に住む)人々は、計画されている開発事業について時宜を得た全面的な情報の提供が受けられ、意思決定に参加する権利を持つべきであると書いている。
この書簡には80以上のグループが署名しており、その中には、人権活動家やサルウィン川沿いに住むミャンマー(ビルマ)やタイの民族グループの代表者が含まれている。
中国語名で怒江と呼ばれる総延長2400キロのこの川はチベットに源を発し、雲南省やミャンマー(ビルマ)東部を流れて、アンダマン海に注ぎ込んでいる。
中国がすでに水力発電ダムに利用しているメコン河と違い、サルウィン川はいまだに1つもダムが作られていない。
運動家によれば、今月には最初のダムの建設が、雲南省のLiukuで始まるということだ。中国にダムができればミャンマー(ビルマ)におけるサルウィン川の流れは滅茶苦茶になり、紛争に悩まされるシャン州の脆弱な農・漁民コミュニティに害を及ぼすことになるだろうと主張している。
書簡を送ったチェンマイのロビー活動グループである東南アジア河川ネットワークのChainarong Srettachau代表は、自分たちはメコン河の悪しき経験からサルウィン川の将来を懸念している、と述べた。彼によれば、中国が水力発電ダムのために導水を始めてから、タイのメコン河沿いの漁獲高は激減してきた。
不安定なメコン河の流れは、ラオスやカンボジアに棲息するメコン大ナマズや淡水イルカなどの貴重種の下流での繁殖にも影響を与えていると環境グループは指摘している。