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世界銀行>採掘産業支援に厳しい勧告
メコン河開発メールニュース 2004年2月4日

直接メコン河開発と関係しているわけではありませんが、開発金融政策という視点では、非常に重要なニュースが届いています。

世界銀行が委託していた「採掘産業の再検討」(石油、ガス、石炭、鉱物など)の報告書が完成しました。以下に、アメリカの国際河川ネットワーク(International Rivers Network)の政策担当であるPeter Bosshard氏の呼びかけを翻訳しました。

採掘産業がこれまで先住民族などの生活や環境に甚大な被害をもたらしたことを受けて、厳しい勧告をしています。メコン河流域国にとっても重要だと思われる勧告としては、石炭プロジェクトへの融資を廃止、電力購入合意の公開を含む透明性の拡大、再生可能エネルギーへの支援拡大、などが挙げられます。

世界銀行がこの委託調査結果を受けてどのような対応をするか注目されます。また、世界銀行のように過去の教訓を批判的に再検討することすら消極的な国際協力銀行(JBIC)など日本の援助機関にどのような影響を与えるかも重要な点です。

皆さんご存知かもしれませんが、2-3週間前に、世界銀行の「採掘産業の再検討」に関する最終報告書が公表されました。この報告書は強烈な文書であり、使われている表現は、世界銀行や大規模ダムの問題でキャンペーンを行っているグループにとっても有用です。以下に、報告書からの引用も含めて、簡単な最新情報をお伝えします。

世界銀行のジェイムズ・ウォルフェンソン総裁は、プラハで行われた2000年9月の年次総会で、石油、ガス、それに鉱業プロジェクトに対する世界銀行の関与についての調査・検討を委託することに合意しました。これは、世界ダム委員会(WCD)プロセスに引き続いてのことでしたが、WCDの最終報告書が発表される前のことです。調査・検討は「卓越した人物」と評されたインドネシアの元環境大臣のEmil Salim氏によって行われました。検討プロセスは、WCDの方が徹底していましたし、独立性も高かったですし、参加も多かったです。それでも、かなりのNGOからのインプットがありました。

「採掘産業の再検討」報告書は、2003年12月11日にリスボンで発表されました。驚くほど強烈な文書です。NGOが求めていたことが全て満たされているわけではありませんが、部分的にはWCDの報告書以上に強い調子のことばが使われています。

カギとなる勧告は明らかに採掘産業セクターに関連しています。特に、報告書は2008年までに石油プロジェクトへの融資から世界銀行が段階的に撤退すること、石炭プロジェクトへの融資はしないこと、重要な自然生息地・武装紛争の地域・ガバナンスの弱い国での採掘産業への融資を止めることなどを勧告しました。

「採掘産業の再検討」報告書はまた、国際金融機関やダム問題に取り組む運動家にとっても重要な勧告を唱えています。もっとも重要な主張は次のようなものです。先住民族やプロジェクトによって被害を受ける全てのコミュニティに対する、自由意思に基づく・事前の・十分な情報に基づく合意(free, prior andinformed consent)、世界銀行が資金供与したプロジェクトにおける一層の透明性の向上(そこには電力購入合意=PPAへの公衆のアクセスも含む)、世界銀行の人権政策(世界銀行グループの国際金融公社や多国間投資保証機関のプロジェクトにおいて核心となる労働基準を尊重することを含む)、それに世界銀行のエネルギー関連のポートフォリオの中で再生可能エネルギーへの支援を大幅に増やすこと、などです。

「採掘産業の再検討」報告書からの引用を集めたものが、以下のウェブサイトで入手できます。

http://www.foei.org/publications/pdfs/EIRexcerpts.pdf

またこの報告書の全文は、

http://www.eireview.org/

の中から入手できます。メインの報告書は英語とスペイン語で読めますし、7ページのサマリーは英語、フランス語、ロシア語、スペイン語で読むことができます。

Emil Salim氏は、この報告書を1月末に世界銀行に提出する予定です。報告書に書かれた勧告を受け入れるかどうかは、3月終わりの理事会で議論される見通しです。ウォルフェンソン総裁が2000年にこの調査・検討に合意した際に、彼は自分がそうしたのは「単に酒を飲んでいたからだ」と述べました。この報告書はすでに二日酔いを生んでいるようです。産業界は、勧告のいくつかに強硬に反対していますし、世界銀行の経営陣はこの報告書への回答を用意して、同じように理事会に提出するつもりでいます。

By Peter Bosshard(Policy Director of International Rivers Network)

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