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今年に入って「メコン河開発メールニュース」は、メコン河流域国での公正で・維持可能な開発に間接的に関係するような情報も積極的にお伝えしています。
先日、世界のダム問題をモニタリングしているNGOから、企業倫理に関するニュースが入ってきました。スウェーデンの土建会社で、メコン河流域国でも道路建設などに深く関わってきたスカンスカ社が、日本を含む世界の18社とともに、反汚職のためのイニシアチブに署名したというものです。
このイニシアチブの背景やなぜ18社なのかなど、不明な点は多く残っています。
また、日本から唯一署名している大林組は、自社のホームページでこのイニシアチブについて特段伝えていないのも気になります。いずれにしても、企業の社会的責任を考える上で、実効性があるイニシアチブなのかどうか、関心をもってモニタリングしたいと思います。
スカンスカ社プレスリリース
2004年1月29日
スカンスカ社は、設計・建設企業における世界規模での「反汚職」の努力を率先して行う。
他の設計・建設企業18社とともに、スカンスカ社は、業界において汚職と闘うイニシアチブに署名した。これは、世界経済フォーラムに参加する「設計・建設業タスクフォース」の枠組みで行われている。
署名に参加した企業の年間売り上げは700億ドルを超えており、これら企業が賄賂について「一切許容しない(zero tolerance)」政策や、汚職防止のための内部システムや抑制方法のプログラムを作ることに関わってきた。
スカンスカ社のスチュアート・グラハム社長兼最高執行責任者(CEO)は、「汚職は世界中の多くの国々で、建設業界の深刻な問題である。とりわけ合法的に競争するスカンスカ社のようなまじめな企業にとっては。したがって、このように複数の企業の強い団結が、汚職と戦うために力を合わせることは非常に重要である」と述べている。
スカンスカ社は、この努力を推し進めてきた一員であり、また新しい原則を打ち立てる作業を推し進めている企業の1つである。実際に、このイニシアチブに含まれている要素として、参加した企業は、「どのような贈り物をしたか/もらったか」「政治家や政党にどのような支援を行ったか」「公的機関とどのように連絡をとるのか」について、明確なルールを採用することが強制されている。
「私たちは2001年に採用した倫理規定やグループ内で実施するより厳格なコントロールによって、スカンスカ社の内部で前進してきた。それでもなお、これは更に進めるべき仕事であり、私たちは今、とりわけ世界中の25,000人の従業員のトレーニングを通じて更に前進させている」とスチュアート・グラハム社長は言う。
このイニシアチブに参加している企業は、今後は、同じ業界の更なる企業や、公的機関・業界の他の顧客に対して、汚職との戦いに加わってもらうために努力をすることになるだろう。
●更に詳しい情報は、
Stuart Graham, President and CEO, Skanska AB,
tel +46 8 753 88 50
Peter Gimbe, Press Officer, Skanska AB,
tel +46 8 753 88 38 or +46 70 543 88 38
●このイニシアチブに署名したのは以下の企業である。
Fouad M.T.Alghanim & Sons Group, Kuwait
Hilti AB, Liechtenstein
Turner International, USA
Fluor Corporation, USA
Murray & Roberts Holdings, South Africa
Skanska, Sweden
Aveng Limited, South Africa
Autostrade, Italy
Consolidated Contractors Company, Greece
Lahoud Engineering, Lebanon
SNC-Lavalin Group, Canada
Marhnos, Mexico
大林組, Japan
ABB, Switzerland
Corporacion Impsa, Argentina
CH2M HILL Companies, USA
Peremba Group of Companies, Malaysia
Karl Steiner Holding, Switzerland
Biwater, United Kingdom